八色鵺

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8/1/2024, 1:25:46 PM

─── 明日、もし晴れたら ───


歴史の授業は苦手だから簡単に

気が遠くなるほど遥か昔の話
とある科学者達の功績により
人類は地球外の惑星進出に成功し

地球を捨てた


その開拓者達の子孫である私は
自然の晴れた日を知らない

生きものが生きていけるように
作物がよく育つように
常に完璧に整備された人工の天気

面白くないよね
私の知る全ては本物だけど偽物な気もする

遠い祖先が皆感じていた
晴れた日の感覚を私も感じてみたい

7/31/2024, 2:37:11 PM

─── だから、一人でいたい。 ───


一緒に居るのは嫌いじゃないよ

ただ今は違う
特別な理由はこれといって無い


集中したい
そして楽しみたい
大好きな事に夢中になりたい


ただそれだけだから気にしないで

それでも一緒に居たいと言うなら
隣に座っていてもいいよ

退屈で寝ちゃっても知らないけど

7/30/2024, 2:14:39 PM

─── 澄んだ瞳 ───


天気がいいから外へ行こうと誘われて
君の後ろをゆっくり歩くいつもの散歩道

変わらぬ日常
ずっと続けばいいのに

ふと気配を感じた
どうしたのかと尋ねる
答えはこうだ


君を見てるんだよ
君の瞳をね
いつ見ても美しい色彩だ


こう言われるのは何回目だろう
初めは恥ずかしかったが今は慣れた

それなら君も同じになるかと
意地悪っぽく言ってやった

返事は返ってこない

答える代わりにまだ君は見つめているんだね


光を失って久しいこの瞳を

7/29/2024, 4:16:12 PM

─── 嵐が来ようとも ───


今夜の風は誰かの泣き声に聞こえる
森の木々はざわざわと震えている
空は真っ暗で月どころか星すら見えない
この世の終わりだと錯覚するほどに

いつも目にしている物や風景が全く違って見える

両親は仕事で不在
家には自分と愛犬だけ
布団をかぶり
小さな灯りを頼りにして
不安な気持ちをなんとか心の奥へ閉じ込める

不意に風がドアを叩き
隙間風が灯りを連れ去る

閉じ込めたはずの不安はまた溢れかけ
思わず隣にいる家族を抱きしめた


一緒にいるから。1人じゃないよ。大丈夫。


布団の中で感じる温もりが
一瞬で不安をどこかへ連れ去ってくれた

7/28/2024, 11:22:51 AM

─── お祭り ───


この1週間は特別に街中が賑やかになる
確か150年だったかな

明るい時間からお酒を呑んで楽しそう
小さな子供も大人もお年寄りも
みんなが喜び浮かれてる

外の国から訪れる人もいるんだって
時間とお金を使ってご苦労様


暗くなるにつれて街の華やかさも
人々の歌い踊る音も増していく



ねぇ先生

この世を去ってから祝われるのは嬉しいですか?

先生の功績を実力を
どれだけの人が本当に理解しているんでしょうね

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