10年後の私から届いた手紙
それはすごく古いものだった
「助けて」だとか「辛い」だとか
多分病んでた時のやつかな
全く人と話せなかった…
でも、ボスと出会って人生が変わった
なんでだろう、自分でも分からない
でも、ボスは変わった人だった
厨二病っぽいことしよって
そう言われたのが始まりだった
雨の音が響く…
アジトには私と執事のあの子だけ
濃い紫とエンジ色の服
そして、濡れたような髪
魔女のような長い上着も
何もかも触れてはいけない
そんな気がした
本当の魔女だな…
あれは厨二病なんかじゃない
本物だ
10年後の私も…同じこと思ってるといいな
バレンタイン
へえ、チョコもらいたいの?
無理だね、ボスはそんなこと考えちゃいない
ずっと好きな人のことでも考えてんじゃない?
それともあの執事となんかしてるか…。
はあ、とにかく今年もチョコはもらえそうにないな
ん?部屋の前にチョコが…!?
はあ…新手の心臓に悪いドッキリだな
なんでチョコってわかるんだよ?
…お、お前が用意したって!?
はあ…サービス精神止めろよ
どきどきするだろ…!
待ってて
必ず今夜
君のもとへ行くから
そう言い残して消えた王子。
仮面舞踏会の後、ひっそりと闇の中たたずむ私。
2人の恋は結ばれないのか…。
伝えたい
その思い
でも、伝えることが出来ない
だから、諦めた
で、結局伝えたいのはなんだっけ?
君が好きってことだっけ?
なんか違う気がするな…
嫌いだった気かする
伝えたいことって、最初からなかったのか
君も最初からいなかった
僕もいなかった
世界もなかった
伝えたいって、なんだっけ
この場所でまた会いましょう?
馬鹿げたことね…
そう言って、去年もここにこなかったくせに
また他の人間に言ったのよね
この場所で…って
愛する人だって?
一生忘れないって?
嘘つき!
何から何まで嘘ばっかり!
騙してばっかりじゃない!
大っ嫌いよ!
私のせいって?
知らないわ!
あんたのせいでもあるのよ!
この場所で…あんたを道連れにする!
あんたが叶えようって言ったこと
私が最悪な形で叶えてあげる!
それじゃあね
この場所、でね