通学のときはアームカバー
冷えた教室では冷房避けのカーディガン
でも、体育の時だけ
その時だけはあなたも嫌々半袖になる
執拗に塗った日焼け止めのせいではなくて
内側から透けるような白
わたしは束の間
その細いのに柔らかそうな二の腕に
目を奪われてしまうのです
#16 お題:半袖
休みな
休んでもうまくはやれないよ
でも、それを許せるようになるから
#14 お題:あの頃の不安だった私へ
すげぇ美人なんだ、黒髪の
背も高くてさ
くっきり二重で、目がでかくてよ
カラコン?
入ってねーよ、お前じゃねーんだから
あとスタイルもいい
いや、まだ話しかけてはねーよ
うるせーな、電車の中でいきなり声かけたらおかしいだろ
まぁ、たしかにそこでしか会えねーけど
てか、ちげーよ
おまえは、どうなんだよ。彼氏と
あー
そうかよ
よかったじゃん
ケンカして泣いて、より戻してって。
ほんとそればっかだな
俺?あーだからその、なんかおしゃれな感じが良いんだよ
茶髪のさ
え?あー
間違えた
黒髪な、あー黒髪の
何でもいいだろ
#13 お題:恋物語
頼まれたって人は殺せないよ。
法外なお金をあげることもできない。
あなたの味方であり続ける保証もないし、
ペットのように飼育してあげるなんてもっての他だ。
道端の小石を拾うように、絶えず苦難を排除してあげることも、
雲間から差し込む光のように、行先を照らしてあげることも、
そのどれも、きっとできない。
でも。
いま。
わたしの袖を引いたその冷たい手を
振り返って握り込むことなら
一緒に座り込んで
朝を待つことなら
わたしにも、きっと、できると思うんだ。
#12 お題:愛があれば何でもできる?
後悔していることが人知れず伝わるのは、フィクションの中だけ。
罪の意識の独白は誰にも聞かれないし、身を挺した犠牲は奇行と解されて終わりだ。
失敗を糧に人は育つのかもしれない。
でも失敗した相手とは、もうやり直せない。
だからそんな、後悔するようなことは、するもんじゃないんだ。
#11 お題:後悔