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5/3/2023, 12:24:40 PM

あれは、給食の時間でした。
貴女の机を食事時の向かい合わせに動かしたのは、優しさからではなく、怖かったからです。

ド金髪化粧遅刻常習校則違反過多の貴女。

だから、貴女が自分の机を見て、わざわざ誰がやったのか特定して、わたしの前に来たときも怖かった。
命をかけてカールした前髪の間から、大きいことが全ての瞳を覗かせて「ありがとう、○○ちゃん」とは思ってもみなかった。

あの時、恥ずかしさでいっぱいで何も返せなかった。
でも、こんな些細なことで、わたしにお礼を言ってくれたのは、それから先も貴女だけだった。

今でもずっと、貴女へのありがとうは、わたしの口に残ったままです。


#4 お題:「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった

5/2/2023, 1:15:10 PM

馬鹿にしている。
尻尾をふって喜ぶと思っている。
見下している。
這いつくばって拾うと思っている。
誰がそんな安い人間なものか。
誰がそんなもの欲しがるか。
わたしはここに立っている。
そして進む。どこまででも。
一人で行ける。
ひとりでゆける。

だからたのむ。

#3 お題:優しくしないで

4/30/2023, 1:15:06 PM

人工的な響き。
誰かの区切った箱庭。
咲く花も、育つ生命も、あなたが決めたのだと思うと、招かれたわたしはただ恐ろしい。
あなたが整えた調和の中で、わたしは呼吸ができるだろうか。


#2 お題:楽園

4/29/2023, 12:02:45 PM

すてきな概念だ。
わたしたち人間は、生まれてこの方、一度も飛べたことがない。けれども、もし飛べたらと空想した時に、魔法の箒という道具や、浮かぶという能力を獲得するわけではなく、すぐそばで流れているこの風と心通わせあえたらあるいは、なんて。
澄みきった透明なあなたのように、重たい色を脱いでみるから、いつかきっと、風に乗って。


#1 お題:風に乗って