1/17/2024, 10:30:11 AM
木枯らし
誰に習ったわけでもないのに、
いつの間にか知っている言葉。
寒さや冬といったものは、どこか寂しいものがある。
木枯らしもまた、枯れ葉と共に冷たい風が、孤りの肌に響くような、孤独の寂しさがある。
かといって、日常で木枯らしにそんなことを感じたことは一度もない。
空の高さを感じ、雨が降り、紅葉色の絨毯が歩道に広がって、秋が始まる。そして、身が痺れるような寒い風が冬の訪れを知らせる。澄んだ空気と、日光にキラキラと光る雪が眩しい、明るい冬がやってくる。
木枯らしは、冬を求めるための一工夫だと毎年思う。
ああ寒い、いっそのこと冬が早くこればいいのに、と、一年かけて忘れていた冬の懐かしさを思い出させてくれる。私の木枯らし。
2024.1.17 木枯らし
1/16/2024, 5:24:04 PM
美しいもの。
都会の寂寞のなかで忘れていたもの。
オレンジ色の街灯に照らされて、
音もなく降り積もる雪。
冷たさが肺いっぱいに広がる、澄んだ冬の空気。
晴れた朝に見える、広大な山脈。
あの頃、嫌というほど囲まれた自然から
逃げるように田舎を出たはずだったのに。
この冬、私は懐かしい故郷の美しさに、何も太刀打ちできなかった。
2024.1.16 美しい