歩歩満

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9/8/2022, 10:30:50 AM

あなたが遠のいていく

同期していた胸の鼓動が遠のいていく

虚無が近づき、僕に覆い被さる

心が、感覚が溶けて行く

感じるのは自分の胸の鼓動

それも、遠のいていく

もういいや、このまま

僕も溶けてしまおう

そう思った時、鼓動が近づいてくる

懐かしくて、よく知っている音

僕の鼓動も近づいてくる

互いに寄り添い、再び同期する

もう二度と、離れる事も、途切れる事もない











9/7/2022, 10:48:43 AM

「君って、慌てると踊るように

あたふたするね」

急にそんなことを言う

「いやいや、そんなつもりないから

頭の中がぐちゃぐちゃになってて 

身体をどう動かしたらいいのか

わからないだけだから」

こちらの気も知らないで

内心、はあ、とため息を吐くと

「気にしなくていいよ、かわいいし」

と頭を撫でられた。ぶっきらぼうに

「あっそ、」と言いながら廊下へ出る

彼に撫でられた箇所に何度も触れる

頭の中も、心の中も踊るよう









9/6/2022, 10:48:39 AM

時計が時を告げる
 
え〜、もう少し眠りたい

時計が時を告げる

待って、まだ食べ終わってない

時計が時を告げる

いやだ、明日を迎えたくない

むかついた

針を止めてみよう

数字を全て塗り潰してやろう

これでどうだっ

…ん?今何時?

何年?何月?何日?

私、何で動けないの?

というか、今生きてるの?死んでるの?









9/5/2022, 10:17:14 AM

「海だー!」

彼女は何回も、そう叫ぶ

「何回目?ていうか、なぜ叫ぶ?」

そう言うと

「なんとなく」と返ってきた

訳が分からなかった

頭に疑問符を浮かべながら

貝殻を拾っていると

「なんで拾っているの?」

と聞いたので

「なんとなく」と返した

帰りの電車の中で二人とも

「海って不思議だね」と言いながら

貝殻を眺めていた




9/4/2022, 10:57:19 AM

幼なじみの彼は、メジャーリーガー

いとこのあの子は、国民的女優

それにくらべて

僕は、ただの会社員

彼らの様なきらめきが

僕には全然ない

まさにダイヤモンドと石ころ

そしたら、彼女は

「どっちがいいとか、わるいとか、わからないけど、

私、石の上を歩いてたからあなたに出会えたんだよ?」

と、顔を背けて、耳を赤くして

そう言ってくれた

「ごめん、こっちむいて、そのまま、動かないで

そのきらめきに、少しだけ見惚れさせて?」









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