003【最初から決まってた】2022.08.07
気がついたときにはすでに、最初から決まってたことは、私が人間であった、ということ。これこそが、誰もが等しく享けている運命じゃないかしら。
遺伝子レベルとか、最近はやりの脳の特性とか、さらにこまごました《最初から決まってた》もあるんだけど……あ、妻とか母親とか病人とかいう立場はあとづけの属性だけど、
私は人間である
これ以上に力強い運命ってあるのかしら?
生まれた時代、生まれた土地、生まれた家族、生まれた身体、自分からは選べないものにもみくちゃにされながら、本能の命ずるままにただただ反応しながら生きて死んでいく、だけに終わらぬ生き方を、つまり、《最初から決まってた》ことを乗り越えていく生き方を選べるのは、あらゆる生物のなかでも、人間だけの特権じゃないかしら。
うまく世間を渡っていくには絶望的に手持ちのカードが不足している、ってのは、絶対あるよね。
だけど、
貴方も私も人間である
絶望の果に唯一残るこの属性が、これがすべての原動力、この世の最強のカードなのだ、と覚ることができた人は、希望を失わずにすむのだと思う。
まだこの世には存在してない選択肢を切り拓いていく能力がある、これこそが人間に生まれた私たちに《最初から決まってた》ことだから。
002【太陽】2022.08.07
8月。あえて太陽の照りつけるおもてにでて、わざわざどっさり汗をかいて、そのほうが健康的、だなんてうそぶく季節。ちょっと日陰に入って、竹藪からの微風に身をゆだねて涼を得るのは極上の気分。
だけど今年の日射はヒドすぎて、とてもではないけど、クーラーの効いた部屋から出る気もおきず。カーテンもばっちり引いて、完全遮光断熱仕様で暮らす毎日。
昨日は午後から土砂降りでした。おかげでそとは天然のクーラー。
お天道様がさえぎられるひとときをこそ願わしく思うなんて。地球を温暖化させるのは、あまりにも罪作りです。
001【鐘の音】2022.08.05
たった一回撞いただけ、だけど、いつまでもいつまでもずっと余韻が続くのが好き。
限りなく細く、微かにひきのばされながらも、ずっと消えない、音。
まるで、円周率がどこまで微小な桁になっても、いつまでもいつまでも割り切れなくて、果てしなく続いていくような。