~視線の先には~
猫がじっと見ている
視線の先には
何も無いのに
見るのをやめない
猫が気になる何かが
人にはわからない何かが
そこに
イル?
たぶんだけど
人に聞こえないレベルの音に反応してるんじゃないかな
視線だけでなく耳も前を向いていたし
それじゃあ
それって何のオト?
教室にコウモリが飛び込んできた
飛び回るコウモリに
みんな焦って床にしゃがみこんでる
わーわーキャーキャー
でも私は椅子に座ったまんま
私だけ
落ち着いていた
落ち着いていたつもり!
コウモリって超音波出して飛んでんでしょ
ぜったい私にぶつかってこないよね
コウモリを信じたよ
結局コウモリはカーテンに引っ付いて
それを先生が捕まえて
外に放ったのでした
「私だけ」ってテーマ見てたら思い出したこと
遠い日の記憶
自分の中の古い記憶をたどっても
幼稚園でのあやふやな思い出くらいで
写真が無ければ
全てが本当にあったのかさえ
あやしくなってくる
親の記憶もそれほど当てにはならず
遠い日の記憶はやがて
薄れて
肉体の終わりとともに
いつかは消える
たかだか人ひとりの人生の記憶
誰かの役にもたたないだろう
そんなふうに考えても
たとえば誰かの頭の中にあるイメージや
記憶を
文章や映像等で得られることは
やはり意味があるのだと思いたい
脳の中や肉体に残る記憶と
もしかすれば
魂というものに本当に必要な記憶が
刻まれると信じることは
たぶん自由だから
あの雲
何かの形に見えないかなあ
ビミョー
電線越しに見ると
雲が動いてるのがわかるけど
あれって
もしかしてすごいスピード?
信号待ちに
空を見上げて心に浮かんだこと
終わりにしよう
社会人になって余裕が無くなると
撮り貯めた番組をみる暇など無く
あの頃はビデオテープだったけど
必死に予約はするけど
見られることのないテープの山は
ホコリとカビがつくし
物欲のまま買って放置された物たちで
たぶん汚部屋って言えるくらい
いっぱいいっぱいの精神状態
もう終わりにしたかった
そして
終わらせることができたタイミングは
失業からの金銭的余裕の無さ!
いっぱい処分したけど
たまに思い返して
繰り返さないようにしなくちゃね