6/14/2023, 10:00:53 AM
聞き覚えのある声で名前を呼ばれた。
貸スタジオのステージ通路。その声に振り返った。
「え?なんで?」
そこには今年の四月に卒業したばかりの先輩がいた。
視線の先にはギターとボーカルの二人もいる。
「俺ら今日ここでライブするけど見てく?」
ずっと今まで見てきた先輩たちのライブ。
「うん」
貸スタジオ内のステージとは思えないほど、豪華で。
後ろのプロジェクターにはあじさいが映し出されている。
真ん中の特等席。
曲が始まった。
6/12/2023, 10:17:12 AM
好き嫌い。
自己紹介のテーマでありそうなもの。
あなたは俺に優しく聞く。
「好き嫌い教えて?」
学校と、家と、勉強と、別室。
「好きなのは授業と別室。嫌いなのは学校と家。」
「そっか。」
あなたは細く息を吐いた。
「勉強は?」
「勉強自体は好きだけど、結果が出るのは嫌い」
「ありがとう」
優しく微笑んで俺の頭を撫でた。
「あともう一個好き」
不思議そうなあなたに言った。
「あなたに頭撫でられるの好き」
6/12/2023, 9:11:49 AM
今日この街を出ていく。
6/10/2023, 9:58:25 AM
締め切ったカーテンから少しだけ日がさしている。
5時40分。目覚ましの時刻より早く目が覚めた。
なんとなくベランダに出て陽の光を浴びながら、たばこを吸った。
人の少ない、空気が澄んだ朝。
たまにはこんな日もいいかもしれない。
6/9/2023, 12:43:21 AM
岐路、なんて大それたものじゃなくゲームの分岐点ほど簡単なものじゃない。
それを今日まで生きてきた。
「頑張らなきゃ」
小さく呟いたそれに応えてくれる人はいない。その言葉で自分が苦しくなることもわかっている。
だから、今日は学校に行こうと思う。