浮き草

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5/12/2024, 1:44:52 PM

子供のままでいたならば
世界はもっときらきらして見えたかもしれない
石ころひとつにさえ世界を見つけ
言葉ひとつで宇宙に行ける
想像力の魔法で
どんな現実も塗り替えられる

でも、
どこかで子供のままだから
世間が苦しくつまらないのかもしれない
他人から親のごとき支配を受け
尊厳は簡単に踏みにじられる
戦う力は得たはずなのに
仕方がないと甘んじる
もう想像の世界に逃げることもできないのに

子供の心を忘れずに
戦う覚悟を持てたなら
世界を少し素晴らしく
創造し直せるかもしれない




5/6/2024, 12:42:05 PM

明日世界が終わるなら
今したいと思うこと
小さなことでもひとつずつ
今日も明日も明後日も
していきたいと思うのです

ほんとに終わりが来るときは
きっと時間は残されない

ただ流れてく毎日に
大切なことを欠かさずに
編み込みたいと願うのです




5/4/2024, 4:02:38 PM

まず静寂が訪れる
限界まではりつめた空気を
すっと切り裂くのは魔法の杖
やがて音が灯りだす
いくつもの旋律を重ね
ひとつの世界が組み立てられる

その世界ではひとりとして欠けてはならない
誰かが欠ければ綻びる

失敗の許されない濁流のなかでも
耳を澄ますと見えるはず
あなたに寄り添うメロディーが
共に流れるあなたの譜面が

さぁ遅れないで、置いていかないで
足並み揃えて一緒に行こう
美しい世界の終わりまで

『耳を澄ますと』








5/3/2024, 8:45:33 AM

わたし人に優しくするのやめたの

そう言った彼女は、優しさは犠牲だと嘯いた
誰かに優しくするとき、人はどこかで自分を蔑ろにするのだと
犠牲を払って振る舞われる優しさなど欲しくはないと

その引き結んだ口許

きっと彼女は色々我慢してきた

我慢して、自分を圧し殺してまで周りの人に優しくしてきたから、少し疲れてしまったんだね

大丈夫 それなら少し休もう

他人への優しさはお休みして、今は自分に一番優しくなるんだ

傾いた天秤が戻るまで

そうして自分のお皿が床に着いたら、また少しお裾分け

それまでしばしの休憩を

『優しくしないで』













4/30/2024, 5:33:53 PM

楽園とはそこに在らぬもの
それは愛するものを見つめる眼差しに
在りし日の懐かしい光の中に
苦しみから自らを助けだしたある日のさきに
平穏を見つけた人の心の中に
ふと目を開いたときに
そこに現れるもの









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