スリル
俺は毎朝 通勤ラッシュのとある乗り換え駅の構内をそそくさと人の流れに呑み込まれながら急ぐ必要も無いのに早足で歩く中 いつも同じ金融会社のサイネージの辺りで擦れ違う とってもきれーなお姉さんとほんの一瞬互いの視線が交錯する!
・・・毎日!!
たまに行き交う人に重なって見えずに通り過ぎてしまう日も有るものの ほぼ毎日だ。
俺の方は彼女の姿を探して、その姿を認めるやいなや視線ロックオンで進んで行くが、彼女は真っ直ぐに前を向いて歩いているのに、俺とすれ違う一瞬にほんのわずかに顔をこちらに向け、ほぼ横目に近い視線で絶妙な、コンマ何秒かの視線交錯を成し遂げてくれる!
毎日俺のハートはこの一瞬に彼女に擦り取られるのだ。
次のホームへと急ぐバラバラの群衆の中から視野だけで俺を捉え常にミス無く俺の視線をハートごとかっさらって行くあの鋭いテクは何だろう?!
あぁ明日もまた彼女はいつもの金融会社のサイネージの前辺りで俺のしせんとハートを
スリル気だろうな。
ススキ
ス スス スー ススーー
ス ススキデス!
あなたとわたし
いま私はバスルームで、もう三時間程前にカビ取り専用洗剤を染み込ませ、ラップで湿布していた壁面のタイルの目地を占領しているカビ達とたたかっている。
武器はもちろん、わたしのは使って汚したく無いから、″あなたのたわし″ だ!
・・・・・? なんか間違ってる?
⚡️一筋の光
光 と言えば ブラックホールは光すら吸い込んでしまう!
なんと恐ろしいパワーだ!!!
その超絶的なパワーのメカニズムを遂に解明してしまった俺は、禁断の大発明を成し遂げちゃったではありますまいか!
そーです。僕はブラックホールの制作に成功しちゃったのです!
しかも、なんと卓上クリーナーサイズまでのコンパクト化を実現してだよ?
私のこしらえたこの
ウルトラマイクロスーパーブラックホール卓上クリーナー
は無敵です!
文字通り何でも吸い込み消し去りますよ?
物凄く危険な卓上掃除機ですね?
勿論、それがしはその超危険性を鑑み安全対策は施し、吸引範囲を 一筋の光 の範囲に留めました。
それでも危険性に変わりはありませんよ!?
向きを誤って自分に向けてスイッチ入れたら 終わりです、 己が消えて無くなるだけに留まらず、主を失った卓上ブラックホールは制御不能のまま片っ端から全てを吸い尽くしてあっと言う間に地球が消滅します。
ミーは何という恐ろしい悪夢の最終兵器(卓上クリーナー)をこしらえてしまったのでしょう!
これに勝る武器はこの世に存在しません!
核兵器なんて子供のおもちゃ以下です
さあ、今日は何を消して遊びましょ?
】もう一つの物語【
【もう一つの こぶとりじいさん】
むか~し むかしの~
ことじゃった
すこ~しだけ ふとった おじーさんが
おったそ~な
・・・・めでたしめでたし。