空を仰いで

大きく息を吸う

こんな秋晴れの日は

悲しいくらい

何をしてもしあわせ


………秋晴れ

言った方は

軽い気持ちだったかもしれない

心のままにぶつけただけかもしれない

でも

ぶつけられた方は

忘れることはない

どんなに忘れたくても


………忘れたくても忘れられない

爽やかな空気の中

やわらかな光を

香りにのせてまき散らす

金木犀は光の贈り物


………やわらかな光

あなたの鋭すぎる眼差しから

やっとのことで逃れられ

今は爽やかでやさしい眼差しに

守られている

夏よまたいつか

どうぞよろしく 秋



………鋭い眼差し

どんどん澄み渡り

高く高く

どこまでも青く

胸いっぱいに

秋を満たして


………高く高く