波の音

風のそよぎ

星の瞬き

私の鼓動

それだけ


………夜の海

坂道を下るとき

ブレーキに手を添えてしまう

ほんとは

両足もひらいて

ビュンと走りたいのにな

自転車に乗って

風を切って

………自転車に乗って

素直に

耳を傾け

光のなかで

目を凝らし

深く呼吸して

まぁるくとりこむ


………心の健康

透明で 清らかで

空に向かって どこまでも

のぼっていきそうな

あたたかく とろりとして

足もとからひたひたと

全身を包みこむような

音を奏でる人だった

………君の奏でる音楽

とっくの昔に

どこかに置いてきちゃった

麦わら帽子

めずらしいみどり色の

誰かのお家になってるかもね

………麦わら帽子