頑張って生きる一般人さん。

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1/19/2023, 9:36:37 PM

「あっ、また来た。メッセージボトル」
 ひとり、ゆったりと海岸沿いを歩いている時、私は見つけた。それを拾い上げ、服の裾で軽く拭く。中には、くるくるに巻かれた手紙と、花の種。

 わあ、今回はなんの花の種だろう。そして手紙……今日はどんなことが書いてるのかな。家に帰ったら書こう。


『あ、また流れてきた。メッセージボトル』
 ひとり、海岸沿いを走っている時、僕は見つけた。それを拾い上げ、片手で掲げる。中には、くるくる丸められた手紙と、花の種。

 よし、今回も僕の庭に植えよう。手紙は後で書くとするか……


“――あぁ、早く君に会いたい”



〜君に会いたくて〜

1/18/2023, 3:20:36 PM

この日記は、昔、姉が書いていた。

だが、どこのページもボロボロ。

達筆で、綺麗な文字。
喜怒哀楽の感情が綴られた内容。

そして、一番の最後のページ。
この日記の最後の言葉。

『私は、自分の記憶を一生手放さないようにするために、抱きかかえたまま、燃え盛る炎の中で人生を終えます』

火事が起きた日。
姉以外はみんな避難することが出来たが、姉はこの日記を書き切るために、逃げ遅れてしまった。

落ち着いた後、自分たちの家へ訪れた。
そこには姉が愛していた日記帳が変わり果てた姿で見つかった。

――姉は今、どうしているだろう。
あの日までの記憶が閉ざされた日記帳を、自分も抱きかかえた。

〜閉ざされた日記〜

1/17/2023, 3:14:50 PM

 あら、そこの葉っぱさん。

 Shall we dance?

ふたつの葉っぱが、風に踊らされる。

ふわり、と飛んで
くるり、と回り
またふわり、と飛ぶ。

 ほら、あなたもあなたも。

 Let's dance!

たくさんの葉っぱが、風を巻き込んで踊る。

ふわ〜っと、いっぱい
くる〜っと、渦巻き
またふわ〜っと、いっぱい。

 ……人間のあたしも混ざろうかしら?

〜木枯らし〜

1/16/2023, 3:11:44 PM

「突然ですが、質問してもよろしいでしょうか? ……私、○○というものでして……あなたにとって、『美しい』と言えばどんなものがありますか?」

 ある一人の少女が答える。
「やっぱり、友情でしょ! あたしとこの子、二人がいればちょー最強なんだから!」
 元気いっぱいの回答、ありがとうございます。

 ある一人の貴婦人が答える。
「ん〜、やはり、この宝石たちですわねぇ。私が世界中を巡って入手した、どれも貴重なものなんですから! こうね、太陽にかざすとね、みんな違う色を見せるのよ! 美しいわよねぇ〜」
 ほんとだ。きれいですね。回答、ありがとうございます。

 ある一人の男性が答える。
「……あの鳥。あんな風に飛べたらなって、俺はもう飛べるわけないんですけどね。今となっては社会のゴミだ。これでいいかい? 用が済んだなら帰ってくれ、俺は寝る」
 ……あらら、ベンチで寝てしまいました。回答、ありがとうございます。

 ――あ、ちょうどいいところに。ぜひ、あなたの声も聞かせてもらいたいです。

 あなたにとって、『美しい』ものと言えば?

〜美しい〜

1/15/2023, 9:17:50 PM

「この世界は、あなただけのものだ」
 自身の狭い心の中で、反響する。ずっと前に、誰かから言われた言葉。嫌な事があった時、辛くなった時、私の心にはこの言葉がよく出てくる。

「この世界は、私だけのもの……」
 少なくとも、自身の心の中だけは。だから、誰にどう言われようと、私は私。自分で何もかもキッパリ決めて、行動出来たら一番いい。だけど、現実はそうもいかない。優柔不断で、周りに流されやすい私には。

「この世界は、あなたのもの……」
 ほらまただ。
 私は鳴り響いて止まないこの言葉を、なんとかして止めたかった。だから、私は大声で叫んだ。

「この世界は私だけのものなんだ!! 誰も邪魔するな!!」

〜この世界は〜

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