頑張って生きる一般人さん。

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1/9/2023, 3:13:34 PM

「ねぇ、××……今日は空に三日月が昇ってるよ。きれいだね」

 そう言っても何も返ってこない。ただ、そばにはいるんだ。安らかに眠っている君が。

 ……いったい、いつになったら戻ってくるんだい? 僕だけ生きているのは辛いよ。寂しいよ。君と一緒じゃなきゃ――

『お前は、俺がいなくたって大丈夫だ』
「――!」
『周りを見てみろ。昔とは違うんだ。今のお前の周りには、たくさんの仲間がいる。だから、生きろ〇〇。そして、また明日も、平和に――』

 なんて声は、すうっと僕の耳を通り、身体中を巡った。そして最後に、聞こえた。

 俺がいつまでも見守っておいてやる。俺が見れなかった分を、お前が見るんだ。そして、この先もずっと切り開いてくれ。未来を。

「××……」

 涙が溢れ出て止まらなかった。何とか止めようと、僕は上を見上げる。ほっそりとした三日月の周りには、たくさんの星が輝いていた。支えるように。

 ――永久に時が流れるのなら、みんなが明日を望むのなら、前に進もうとするなら、いつかこの月だって。

〜三日月〜

1/8/2023, 2:58:05 PM

「見て!お兄ちゃん!!シャボン玉いっぱーい!」
「うん、そうだね」

 太陽の光に照らされて、虹色に光り輝くシャボン玉を見て、妹が笑う。虹色、って言ったけど、ちゃんとしたきれいな虹色じゃなくて、赤が強いやつとか、青が強いやつもある気がする。

「あっ、割れちゃった」
「大丈夫、ほら、こうして僕が吹くとね」

 またたくさん出てくる……


「――今も頑張ってるのかなぁ、おもちゃ屋さん」
 一人、土手に寝っ転がっている自分。妹はおもちゃ屋さんで働きたいと言っていた。たくさんの笑顔を見たいからって。
 ふと、どこからか子供のはしゃぐ声と多くのシャボン玉が飛んでくる。今日も自分の働きで、たくさんの笑顔が見られたのかな、なんてちょっと微笑ましく思った。

〜色とりどり〜

1/7/2023, 3:02:31 PM

私は今日、初めて雪を食べた。
雪って、真っ白で綺麗なのに、色々と不純物が入っているんでしょ?

まさにその通りだって思った。
あれ、たくさんの汚いものが混じってて食べるもんじゃないって思った。

今すごくお腹が痛い。

……でも、仕方ないでしょ?

雪がずっと一緒にいるって言ってたのに、約束破ったから。
でもこれからは違う。

ずっと、ずっとずぅっと一緒だからね。

〜雪〜

1/6/2023, 3:06:52 PM

僕は、『君と一緒』なら、なんでもできるんだ!

――うん、知ってる。知ってるよ。
だから、今日もあたし、頑張るね。

最後にもらった、古びた手紙に唇を落とす。

「あたしも、『あなたと一緒』じゃなきゃ、なにもできないんだもの」

あたしは今日も秘密の研究所へ行く。
あなたを生き返らせるために。

失敗しても、あなたはあなたなんだもの。
あたしは一生そばにいるわ。

〜君と一緒に〜

1/5/2023, 2:42:05 PM

「今日は晴れ、か」

 冬は嫌い。でも晴れているからまだマシ。これが曇りだったり、雨だったりするのなら、気分が下がる。それより、吹雪だった場合は、もう最悪。

「今日はあの人の命日でもある」

 一人、墓の前。名前も知らぬ白い花を持って、ひっそり佇む。あの人がいなくなってから、私は心を閉ざしてしまった。周りと関わるのが嫌になってしまった。

 ――また、ひとりぼっち。

「……誰か。もう誰でもいいよ……なんならいっそ」

 お天道様が、私の心を溶かしてくれてもいいんだよ?
あの人とそっくりだから。

〜冬晴れ〜

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