スピカ

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12/7/2022, 10:19:24 AM

夜空に輝くあの星たちに、この部屋の片隅で重力に負けて下に落ちていくこの雫は、見えているのかな。

雫が輝く粒になった日に、きっと星たちは笑顔になる。

◎ 部屋の片隅で

12/6/2022, 12:19:22 PM

なんだ、テレビがおかしい。
画面の中の女性アナウンサーが何か喋っているのは分かる。けれどなんと言っているかわからない。
なんでだろう、昨日までは平気だったのにな。
着替えたり、朝食を食べたり、と出掛ける準備をする。
なにか少しの違和感は、纏わりつく。
そして、いざ玄関を開けて太陽に挨拶を。

そこで、はたと気付く。
違和感の正体。

話しかけたんだ、月に。暗闇の中、私たちを照らしてくれる、あの月に。
ああもういっそ、何も分からなければいい。
みんなと、逆さまになるとかね。
そうしたら、何も分からなくなるのかな。

本当に叶えてくれたんだ。
それなら、お礼の挨拶をしに行かなくては。
あの燦々と輝く太陽に。

私はドアを力強く開けた。


◎ 逆さま

12/6/2022, 6:48:58 AM

何もしない、何もしない、何もしたくない。
身体が言うことを聞かない。何かしなければ、という自分の意に反して、何もしたくない、という自分の動。

地球のように、頭だけは常に回って。
身体は意思が無ければ動かないのに、頭は考えようとしなくても、考えたくないと思っていても、勝手に動く。
眠れないほど。

また私の頭は眠れないほど、動き続ける。


◎ 眠れないほど