蒼月の茜雲

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11/8/2023, 3:06:12 PM

テーマ“意味のないこと”(小説です)

「私が思う意味の無いことは
今!生きている事です」
クラスで国語の時間に、自分の書いた
【自分が感じた事を作文にして発表しましょう】
とか言うくだらない授業の時に
声たかだかに、そんな事を発表した生徒が居た。

周りはざわついた。
先生は凍り付いた。
「命を軽んじている訳ではありません。
生きている事がくだらないと思っているわけでもありません。
そもそも、生きている事に何の意味があるのか、私は分からないのです。
地球を救うヒーローでも無ければ、誰かを救うお医者さんでも、誰かを裁く検事、裁判官でも無く、誰かを守る警察や弁護士でもありません。
将来の夢と言えるほどの目標も無く、ただ自堕落に生きているだけなので、今、私が生きている事はとても、意味のない事なのだと感じます。
この人が居なければ世界は滅びるくらいの意味がある人では無いので、
私は、今、生きている事に意味は無いのです。
ただ、生かされている人間のうちの一人でしかないのです。
でも、それでいいと思います。
無理矢理、何らかの責任を負わされそうになるのは、とても窮屈だと感じるので、特に生きてる事に意味がない人間の一人で私は満足しています。」

その生徒は、そう一気に読むと、お辞儀をして
着席した。
1拍遅れて、パラパラと拍手が起こる。
理解はしていないようで、首を傾げている生徒も居る。
とりあえず、発表が終わったら、拍手をしましょうという暗黙のルールで、拍手をしているだけだろう。

その後に、発表する人は、とても
やり辛いだろうなと思いながら、自分の番が来るのを待つ。

まだ、先だけど、とても発表し辛い。
あの発表を聞いてから、自分の作文を見返すと
なんて陳腐な文章なのだろうと、そう感じる程に、
あの人の文章は、私に刺さってしまったから。

10/22/2023, 1:49:52 PM

テーマ“衣替え”

「今日暑いよねー」
そんな事言っていたあの日
「今日寒いよねー」
そういう日々に変わっていく


けれど未だに、何を着たらいいのか
分からなくなる日がある。

衣替え、難しい。

10/12/2023, 2:17:54 PM

テーマ関係なし。思い浮かんだ事を。

誰からも連絡が来ない日
私はこの世界で独りになってしまったんじゃないかと
そう思う。

テレビを点ければ、誰かしら、笑いあっていて、泣いていて、怒っている。
だから、この世界で一人では無いけれど
そんな音ですら雑音にしか聴こえなくなっている。

SNSを見れば、其処此処で、皆が思い思いの事を語っているけれど
其処に私の居場所は無かった。

誰一人、私を気にしてくれる人など居ない。

孤独になった気がしていた時に、メールが着信を伝える。
メールマガジンか迷惑メールか。
そんなメールしか届かない。
そのメールですら、機械的なものであって、私に対しての特別な物ではない。


…よくある。事件の“誰でも良かった”にさえ、私はなれない。

そんな事に巻き込まれない事を本来なら喜ぶべきなのだろうけども、どの世界でも私は、必要とされていない気がして
誰も私の事なんか気にしてない気がして、
勝手に寂しくなり、辛くなる。

連絡が来ないなら、自分から連絡をすれば、きっと
誰かしら返事をしてくれるだろうと分かっているけれど、皆それぞれの生活があって
其処での優先順位と比べると私なんて…
そう思って連絡さえも出来ない。

きっと、彼等の中での私への優先順位なんて
2番ですらないのだから。

9/30/2023, 2:12:59 AM

テーマ“静寂に包まれた部屋”

先刻、喧嘩をした。
切欠は、些細な事。

それなのに、何方も謝る事をしない。
普段ならば、何方かが謝って
何方かが許して
それで終わりなのに。

何方も謝らない。

その理由は恐らく、何方も理解しているだろう。
『相手の為を想ってる』から。

相手の為が、裏目に出て
二人共、言い争ったけれど
結果的に、お互い自己嫌悪している。

会話も無いこの部屋は
静寂に包まれていて、身動き一つしない二人が
対角線上の端に、縮こまっている。

居辛いのなら、部屋から出ても良い筈なのに
それをせずに、お互い壁側を見ている。


…さて、この静寂を打破するのは
何方の腹の虫なのか。
それとも、別の音なのか。
解るまで、後……。

9/23/2023, 2:58:14 PM

テーマ“ジャングルジム”

ジャングルジムのてっぺんから見下ろす世界は
普段よりも高いけれど
案外大したことないなと思う。

子供の頃は、きれいに見えたはずの景色も
今では、住んでいるマンションのほうが高い。
そのマンションから見下ろす世界は
とてもとても汚いような気がした。

子供の頃は、見るものすべてに
希望や夢を感受性豊かに見る事が出来ていたけれど
希望も夢もすべて叶わなかった世界に生きている私は
どんな景色を見ても、美しいと思えなくなっていた。


何を血迷ったか、何十年ぶりかに
ジャングルジムに登ってみたけれど
あの頃とは違う自分に絶望するだけだった。



さあ、問題です。
登れたはいいけれど
降りるのは少し勇気が必要。
高所恐怖症では無いけれど
足場が不安定すぎて
大人用には作られていないせいで
恐ろしい。

とりあえず、万が一落下して大怪我でもしたら
ジャングルジムが好きな子供たちを悲しませてしまうことになるだろう。
(怪我人が出たと言う事ではなく、遊び場が減るという方での。)

恐る恐る降り、私は
なんとか無事に降りられて
足はガクガクしているが(運動不足)
それでも帰路につく。
子供たちがいない、夕焼けの中
ダサい大人になったなと
考えながら。

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