「ジャングルジム」
　
　　近所の公園にやつはいる
　　どでーんとそびえてやがる
　　これるもんならきてみろ、と
　　このテッペンから公園を見下ろせとボクに
　　語りかけるかのように
　　見上げたあの頃はヒマラヤよりも高かった
　　今はもうなんだか小さく感じる全てが。
　　疲れた大人になったボク
　　やつもなんだか公園の中で疲れて寂しげだ
　　おまえに挑む小さな巨人はいないのか？
　　

「声が聞こえる」

　しずかなしずかな秋の夜　　
　誰かを想う声なき声
　きこえてきますか？
　今はもう懐かしい人たちの声
　

「大事にしたい」

　まずは自分を大事にしてね、と
　張り付いた笑顔で言う
　毎日を大事にとも言う
　そんな誰かに胡散臭さを感じた僕
　大丈夫　まだ疑う気持ちがある自分を
　大事にしますから

「夜景」

　宝石箱をひっくり返したみたい
　君はそう呟いたあの夏の終わりの夜
　　
　

「空が泣く」

　地上の人々の怒り　悲しみ　恐れ　喜び
　すべての感情が大気を震わせ合わさる時

　空が鳴く