鼓草(ツヅミグサ)

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10/2/2022, 2:24:34 AM

「たそがれ」

太陽は沈み、山際だけほのかに明るい

山際は梔子色
空は紺青色
その間に残されたような空色のグラデーションが入る

綺麗
あと少しだけ、
このままで

9/30/2022, 9:29:28 PM

「きっと明日も」

きっと明日も朝日は昇ってきて
きっと明日もみんなの日常は動きだして
きっと明日も私は目を覚まして
きっと明日も私はぐるぐる考えて疲れちゃって
きっと明日も私は「死」に焦がれてるのでしょう
きっと
きっと
きっと明日は、という願いを込めて

9/26/2022, 11:01:37 AM

「秋」

身体にまとわりつく熱も湿気も
いつの間にか人恋しさに変わる

静寂を打ち消す虫の音は
賑やかさと寂しさが混じる

夏の若く鮮やかな赤色は
成熟するように深みを増してゆく

夏の光に影が混ざり
深い深い秋となる

9/23/2022, 1:49:44 PM

「ジャングルジム」

校庭の隅
少しペンキの剥げたジャングルジム
外が丸見えな、複雑な迷路
大きな城に見えた
小学校低学年 

こんなもんだっけ
その変化に寂しさを覚える

ふとすぐ隣の金木犀が香る
あぁ、君は変わらないね 

君がフッと優しく微笑んだ気がした

9/23/2022, 3:31:51 AM

「声が聞こえる」

電車の中から見える景色
何年と乗っていたはずなのに、あまり見えていない

今は田んぼが黄金に輝く季節
背丈の揃った稲穂は風に揺られ、金の波をつくる

午後4時頃の日差しは、白にオレンジの輪郭
電車の中も、まだ葉が残る木々にも茜色を塗り重ねる
雲が太陽を隠すとき、隠しきれない日差しが、雲の輪郭を白とオレンジでかく

朝の雲は、どんよりとした空気の中、山頂に布団のように覆いかぶさっていた
今思えば、海中から流氷に覆われた水面を見ているようだった

心を動かされる感じ
何かに追われる日々と切り離された世界
誰に向けるでもなく、ただただ囁いている

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