【雪を待つ】
僕の恋人は冬が苦手らしい。
そんな恋人と冬に出かけると手を握ってくる。
去年雪が降った日出かけたら抱きつかれた。
だから今年も雪を待ってしまう僕がいる。
【冬の始まり】
寒い中僕はマフラーを巻きながら校門を出て家に帰り始めていた。
ふと横を見るとコンビニがあった。
看板も駐車場もすべてが新しかった。
最近できたのだろう。
僕は寒かったし中が気になったので入ってみる事にした。
『いらっしゃいませ!』
大学生くらいのバイト初日のバッジを付けた女子が明るく挨拶してくれた。
コンビニでいらっしゃいませは不思議だなと思ったが僕は軽く会釈をした後コンビニ中をぐるぐる回った。
特に欲しいものが無かったのでコンビニを出ようとした時肉まんが目に入った。
開店セールでホットスナックが全品200円だったらしい。
せっかくだし僕は肉まんを買ってコンビニを後にした。
僕の地域では冬にしか肉まんは置かないのでなんだか冬の訪れを感じた。
【微熱】
『こほっこほっ』
僕の恋人は人より体が弱くいつも夏と秋の変わり目には風邪をひく。
しかも長引くし微熱が出る。
僕はその恋人をほぼ毎年看病する。
両親はしばらく何処かへ行っているらしい。
恐らく他界だ。
周り人が悲しませないようにと気を遣っているらしい。
『こほっごほっ』
今年は去年よりも悪化している。
『行かないで…』
僕が今日の夕飯の買い出しをしようと立ったらたら服の裾を掴みながら言ってきた。
『ほんっと可愛い…』
絶対風邪を引いてる人に思ったらいけないけど思ってしまった。
ふと恋人を見ると頬を赤らめていた。
どうやら口に出ていたようだ。
【太陽の下で】
僕の恋人は夏の晴れた日に満面の笑みで楽しそうに笑っていた。
『また…会いたいなぁ』
僕はいつのまにか泣いていた。
【セーター】
恋人がくれた白色に黒猫のワンポイント刺繍が入ったセーター。
とっても暖かくて心も身体も暖まる。