【さよならを言う前に】
カナダへ留学に行っていた時に出来た友達がいた。
その友達は“またね”を絶対言わない。
また会えると言う保証がないかららしい。
でも僕はさよならはさびしいからまたねと言って欲しい。
カナダ留学最後の日その友達は言ってくれた。
『またね』と。
でもすぐにさよならに変えてしまった。
僕はまた絶対カナダへ来ようと固く決意した。
【空模様】
『雪だ!雪!』
近所の子供が騒いでいる。
正直僕も驚いたし嬉しかった。
雪が降るなんて1年…いや2年振りかもしれないから。
でもなぜだろう。
昨日の空は冬の割には晴れていた。
どうやら驚いているのは僕だけではなかった。
TVアニメを差し置いてニュースに切り替わったりしていた。
…………さて久しぶりの雪だ僕も思いっきり騒ぐとしよう。
【鏡】
僕は去年笑えなくなった。
ゲームをしても、漫画を読んでも、友達と遊んでも。
そんな僕を受け入れてくれたただ1人の親友。
親友だけが寄り添ってくれた。
そして僕は笑えるようになった。
でも親友は笑えなくなった。
僕に寄り添ってくれてるうちに疲れて笑えなくなってしまったらしい。
今度は僕が笑わせる番だ。
『毎日鏡の前で笑って自分の笑ってる顔を見てみて。
運が良くなるらしいから。』
僕は運が良くなるにつれ笑ってくれると思った。
『………わかったやってみる』
よかった。
一年後にはもう親友は僕と笑ってくれた。
前よりもずっと楽しそうに。
【いつまでも捨てられないもの】
『私がいつまでも捨てられないものはーーーー』
国語の授業でいつまでも捨てられないものというテーマで個人発表をすることになった。
僕はつまらない。
そう感じて机に伏せた。
先生ばれて怒られた。
『ちゃんと授業に参加しなさい』
『はーい,』
僕は心のどこかでこの何気ない日常がいつまでも捨てられないものなんじゃないかと思った。
【誇らしさ】
誇らしさ?
僕の誇らしさってなんだろう。
昼寝をしていつまでも眠れない深夜の僕はぐるぐる考えた。
誇らしさってそもそもなんだろう。
誰が作った言葉なんだろう。
そうしている内に僕は眠りについていた。