「あーあ、サンタさん、来ないや、」
一人、ボソっと呟く。
「蒼桜っ!もう寝なさいっ!」
「やだ〜っ、サンタさん見てから寝るのっ、」
下では、妹の蒼桜を寝かそうとするお母さんと、サンタさんを絶対みたい妹の蒼桜が言い争い(?)をしているようだ。
「もうっ、鈴桜〜っ、!蒼桜寝かすの手伝ってくれない〜!?」
「はぁい」
妹の面倒見係が回ってきた。
「蒼桜〜、寝るよ〜!」
「やぁだぁっ、サンタさん見るのっ、」
いつまでも駄々をこねる妹を抱き、私は寝室に向かう。
「蒼桜。サンタさんはね、ちゃんと寝ている良い子のところにしか来ないのよ。」
そういうと、蒼桜は驚いたような顔をして、顔を曇らせ、こう言った。
「そーなのっ!?、、、じゃあ、蒼桜、寝る、」
「うん。良い子だね。きっと、サンタさんも来てくれるよ。」
「うん、、、。」
「じゃあ、蒼桜、おやすみ。」
「お姉ちゃん、おやすみ、」
泣き疲れたのか、蒼桜は直ぐに眠った。
「ふぅ、」
そして、私も寝なくちゃと、ベットに向かったのだった。
次の日
「お姉ちゃんっ!」
「ん、蒼桜、?」
朝早くに、蒼桜は私を起こしに来た。
「お姉ちゃんっ!プレゼント、届いてるかなっ!?」
「んー、」
曖昧な返事を返しても、蒼桜には聞こえていない。
そして、
「わぁっ!うさぎちゃんだ〜っ!✨」
蒼桜のプレゼントは、ちゃんと届いていた。
「サンタさん、ありがと〜っ!」
「良かったね。蒼桜。」
「うんっ!」
そして、蒼桜は遊び出した。
「ん?」
クリスマスツリーの隣にもう一つ箱があることに気がついたら私は、その箱を手に取る。
そこには、
鈴桜ちゃんへ。
お母さんのものでも、お父さんのものでもない筆跡で、そう書かれていた。
「私の、、、プレゼント、?」
気になり、中を開ける。
そこには、最新型のスマホが入っていた。
「ぇ、、、!?」
流石に驚きの声を上げる。
そして、もう一つのものに目がいった。
鈴桜ちゃんへ。
いつも、妹の面倒を見ることを頑張っていること、ちゃんと見ています。
蒼桜ちゃんは、天真爛漫。好奇心旺盛。きっと大変でしょう。
そして、妹の面倒を見るだけでなく、勉強も運動も頑張っていますね。
全てを完璧に。
その言葉を実行できています。
けれど、人は、いつでも完璧ではない。
だから、たまには息抜きも必要です。
休めることも、大切なことです。
全て完璧じゃなくても、頑張ればいい。
そのことを頭に入れてくれると嬉しいです。
これからも頑張ってください。
サンタクロース
その手紙を読んで、自然と涙が流れてくる。けれど、
「お姉ちゃん、泣いてるの、?」
蒼桜にそう言われるまで、気が付かなかった。
ああ、私、疲れてたのかな、
泣いたのなんて、いつぶりだろう、
「お姉ちゃん、」
「まぁ、鈴桜っ!?」
「鈴桜〜!今日は鈴桜の好きなチョコケーキ、、、ってなんで泣いてるんだ!?」
私、こんなに愛されてるんだな、
「ううん。なんでもない!笑」
流れた涙を拭き、私は笑った。
皆、驚いた顔をしていたが、最後には笑ってくれた。
______時に休憩も大事。
私が、クリスマスに学んだこと。
お陰で、今もこの世界を生きています。
#プレゼント
#一作目