僕の視界には真っ赤に染った君と
ずっと流れ続ける血液が写る
「死なないで」
君は僕に言うけど
僕は君にその言葉を言いたかった。
「こっちのセリフ、死なないで」
その言葉を聞くと
僕に柔らかい笑顔を見せた。
「好きだよ」
その一言で彼女は動かなくなった。
さよならを言う前に
君はいなくなってしまった。
冷たくなる君の手を取って僕は涙を流していた。
「僕だって君が好きだ...」
君をずっと忘れないよ
─────『さよならを言う前に』
残業終わり
すっかり暗くなって
街灯の明かりなしじゃ歩けないくらい
暗い道で猫の声が聞こえた。
スマホのライトで辺りを探して見ると
ダンボールに入っている猫がいた。
捨てられているみたいだった。
家ペット禁止だったっけ?
なんて考えながら
子猫に手を伸ばす。
細い体で言い方は悪いけど
皮を被った骸骨のようだった。
そう思っていたら空から水が降ってきた。
慌てて私はその子猫を抱いたまま
屋根のある店で雨宿りをした。
空模様からすると雨はしばらく止まないみたいだ。
勢いで抱えてきたけどこの子どうしよう。
しばらくやまない雨と子猫を見て
頭を働かせた。
─────『空模様』
鏡に映る私が笑ってる
ホントの私は泣いているのに
反転している鏡の世界は
私を美しく見せてくれているみたいだった。
泣いている顔よりも貴方は笑顔が素敵よなんて
声が聞こえたような気がした。
鏡に映る私が笑っているなら
ホントの私も笑わなきゃ
笑顔の私は最強だから
─────『鏡』
いつまでも捨てられないもの
それは大切な人から貰ったもの
その人の気持ちが入っているから
きっと送る人を想っているから
いつまでも捨てられない
いつまでも捨てられないけど
いつまでも取っておけるか分からない
だから
いつまでも大切に大事にしたい。
あなたからの贈り物
─────『いつまでも捨てられないもの』
「今日ね、転んだ子がいてね。
僕いちばん早くね、
大丈夫って言って近くにいたんだ。」
小さな君がママと呼びながら
褒めてと言ってほしそうに
キラキラした目で私を見てくれる
「え〜偉いじゃん!!優しいね。」
そう言うと
君の顔は誇らしさで赤く上気していた。
可愛いの一言では収まりきれない君は
大人になっても
優しい気持ちを無くさないで欲しいそう思った。
─────『誇らしさ』