またね。
いつも通りのやり取り…
また、明日もこんな日が続くんだと
思ってた、
3日前、彼から連絡があった
そこにはたった一言
こう、書かれていた
゛好きな人が出来たから、もうやり取り
は辞めよう゛
こうして、彼とのやり取りはそれきり
以来、そのLINEは開けずにいる
開いたら、色々思い出しちゃうから
開けないLINE/夜凪
また、お前か006
メガネをかけた男がため息をつく
006
僕はそう呼ばれている
呼び出された理由は、仕事の仕分けミス
僕も含め他のロボットは工場でそれぞれ
割り振られた仕事をしている
けど、僕はみんなのように
仕事が上手く出来ず呼び出される事が多い
作業は荷物の簡単な分別
という単純作業
僕はみんなと同じ場所で作られて
同じ仕事をしているのに
どうしても、うまく出来ない
……はぁ、もういい戻れ
疲れたように、僕を追い払うメガネの男
失礼します。
軽く頭を下げて、僕は持ち場に
戻らなかった
不完全な僕/夜凪
中学の頃から付け始めた日記
外出先にも、旅行先にも
持っていくほどの愛着のある
自分の相棒
今も、形は違うけど毎日付けてる
私の日記帳/夜凪
あっち、と
こっち
テーブルに向かい合わせに座る僕と彼女
あの頃より伸びた髪に
左手の薬指に光る銀色の指輪
私ね、来月結婚するんだ
照れくさそうにはにかむ彼女
それから、他愛もない話をして駅で別れた
じゃあね、
うん、またね
電車に乗りこみ手を振る彼女
またね、と僕は彼女にそう言った
けど、その日以来彼女から連絡が来ることは
なかった。
向かい合わせ/夜凪
いつも通りの何気ないやり取り
出来れば、ずっとこのまま
一緒に居たい
でもさ、君の1番は私じゃない。
ふと、脳裏に浮かぶのは、
知らない子と肩を並べて歩く
彼の姿、
きっと、彼の1番はあの子で
特別もあの子なんだろうな…
だからさ、私
貴方に連絡するのはもう辞めるね
さよならの前に/夜凪