NoName_ms.lm

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6/2/2023, 1:38:59 PM

いくら強く言葉を発しても、折れ曲がった言葉の先にあるのは濁ってしまった流れであって、ただ耳の端に空いた穴の、口に拡がる塞がることのない痛みの温度
『正直』

5/27/2023, 1:44:46 PM

日は高く昇って月は満ちていく、誰よりも優しくて愚かな、私の好きな人
『天国と地獄』

5/23/2023, 3:09:50 PM

捕まってから考えている、と思う、いつも、追いつかれるまではどこか楽観的なのだ。迫りくる不安に混じって、足を重くする。逃れられないものから逃げても意味がないと、絡めとられた後でも良い方法を見つけて、どうにかできるような気がすると、いつも、どうにもそんな感じなのだった。
『逃れられない呪縛』

5/21/2023, 4:10:42 PM

忘れていたもの、もう届かないもの、きらきらと輝きながら散り散りになって、結局失ったもの
それをコップの中にひとつ落として、ひといきに飲み込んでしまえば、そのうちに忘れていく、すぐに身体は軽くなる。忘れていたことすら、ゆっくりと忘れていく。手のひらに、光だけが残る。
『透明な水』

5/17/2023, 11:13:11 AM

月明かりが満ちるとどこまで沈んでいるのかもわからないほど明るく広く、滲む痛みに投げ出した足からたおやかな流れが重い靴を拾っていく
『真夜中』

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