おじいさんの古時計を買った話
町外れの小さな時計屋さんに、優しげな店主のおじいさんがいた。仕事でお尋ねした際に気に入った人。白髪で小柄、細く小さなメガネには値段のシールが付きっぱなしになっていたがよく似合っていて、優しい笑顔には人柄が滲んでいた。そのおじいさんが一人で経営している。
電子時計が増えた昨今では、ネジ時計を扱える職人が少なくなっている。そんな中、おじいさんを頼ってくるお客はネジ時計の愛好家が多い。
ネジ時計の修理は、六畳一間ほどの店の片隅にある、木の机で作業する。使いこなされたおじいさん手作りの机は、どんな高価な机にも劣らない気品があった。修理をしている様子は宮崎駿の「耳をすませば」に出てくる天沢聖司くんが、部屋の隅でバイオリンを作る様子を少し連想させた。
そのおじいさんのお店で自分の部屋に欲しかった壁掛け時計を買おうと思い、再度尋ねた。店の壁に掛けてある時計を眺めていると、レトロなネジ式の柱時計がが目についた。それだけが動いていない。修理が必要だが、部品が希少で直せるかどうか分からないと言われた。それでもこれが欲しいと言ったら、おじいさんは修理を引き受けてくれた。
数週間後に直ったと連絡が来た。何も付いていなかった丸い時計盤には、綺麗なガラスのカバーが設置されていて、おじいさんの手作りと言う。おじいさんがネジの巻き方を教えてくれて、音を鳴らしてみる。近年の時計では聞くことができないような良い音がした。しかし「夜中も鳴り続けます」と少々残念そうに言う。ちょっとどうしようと思ったが、購入して部屋に飾った。
今は、その時計の針を7時で止めている。おじいさんが言ったように夜中も鳴り続けて眠れないので、備え付けのシステムで音がならないようにセットした。しかし音は鳴らなくなったが、そっちの方がうるさかった。例えるなら枇杷の玄を手のひらで押さえつけながら弾くような音が、夜中の12時に12回狭い部屋に鳴り響きわたる。可愛く揺れる振り子は、悪夢への誘いへと変わった。
数日経ってその柱時計のネジを巻くことを諦めたが何時に合わせてよいか分からず、とりあえず7時に針を合わせて飾っている。
これを時計屋のおじいさんが知ったら、何を思うだろう。…今週末の日中だけ動かしてみようか。
初老の画家に無理やり唇を奪われたのが最後だった…
「勉強しに来なさい」と言われて行ったら、違う勉強会だった。そっちの業界のてにをはを教えてくださると思っていたのに残念だった。その後ホテルに誘われたが、どうもありがとうございましたと愛想よくお辞儀をして帰ってきた。
5年以上前のこと。これ以上男を作らないでいたら、このままでは女としての機能が失くなってしまうのではないだろうか…自分が心配になる。
『勿忘草』へ
意地汚い女子の集団って、、ものすごく迷惑。
おいしいパンをあなたに届けたい。
お題:あなたに届けたい
I Love…
さむい…今この言葉を聞くと、なんて寒いんだろう。背中が寒い。身体中の血管が背中から凍りついていくように、寒い…
外は雪が降っている。ここ五日ほどずっと降り続いている。
さっき、上空に飛行機が通過している音がした。一人きりじゃない気がして、何故かいつも安心する。
夜の静けさに微かに長く響く飛行機の音は、私のI Loveの一つであることに違いない。