テーマ:大空 #401
「大空さん」
私は何回かそう言われて反応した。
それが私の名字になったのは一週間前のことだった。
父と母が離婚して、
母の名字になった私。
まだなれない。
「大空」なんて名字聞いたことも会ったこともない。
だからまだ慣れないというのもあるだろう。
母は父と離婚してすぐ名字を変えたがった。
よほど父が嫌いだったらしい。
私は父も母も大好きだったから
離婚の話が出た時心のなかでは全力で止めていた。
でも父と母が思いをぶつけ
怒鳴り合っているところをもう見なくて済むなら
それもいいかなとふと思った時、
離婚届が出された。
母と二人の生活はまぁまぁ楽しい。
でも3人のときのほうが良かったなと思った今では
もう遅いのだ。
テーマ:ベルの音 #400
ベルの音が遠くで聞こえる。
サンタさんかな。
私は布団に入って寝たフリをした。
だんだんベルの音が近くなってきた。
……
いつの間にか寝ちゃったみたい。
サンタさんに会いたかったのにな。
でもちゃんと窓においた手紙の返事は来ていた。
「昨日遅くまで起きていたでしょう」
ママが言った。
私は首を横に振る。
「ううん、ママ。私寝てたよ。いい子だもん」
いい子じゃないとサンタさん来てくれないもんね。
だから昨夜のことはないしょ、ないしょ。
またサンタさんに手紙書こうっと。
テーマ:寂しさ #399
私は今年の卒業式でもきっと泣くだろう。
寂しさと嬉しさと入り混じった
言葉では言い表せない感情が
私の中でグルグル回って
いつの間にか涙として
私の外に出ているのだ。
泣かないようにしようと決めても
どうせ当日泣いてしまう。
それならいっそ泣くだろうと思っていればいい。
泣きたいときは泣いてしまえばいい。
だってそれだけ楽しかったということだから。
それだけ離れたくない仲間ができたということだから。
涙は決して悪いものじゃない。
卒業式が近づき涙脆くなっても
そんな私を許してね。
テーマ:冬は一緒に #398
家で飼っている猫のミケと
冬は一緒にこたつで丸くなる。
にゃ~んと言って甘えてくるミケをなでながら
「あったかいねぇ〜」
と言ってこたつでぬくぬくする。
ママにはたまに「やめなさい」って言われるけど
冬はこれがあるから冬と言う!
ミケだってこたつ好きだもんね?
さむ~い冬はやっぱり猫とこたつが癒やしのもと。
テーマ:とりとめもない話 #397
とりとめもない話をする相手がいるっていいな。
くだらないことでも笑える友だちがほしい。
そんな理想ばっかりを口にする。
お金持ちになれなくても
人よりもずば抜けた才能がなくてもいい。
私はそういうのがほしいんじゃなくて
ただ本音で語り合える仲間がほしいだけなのに。
これって我儘なのかな。