おばあちゃんは104歳で死んだ。
大往生だったのでお葬式は
おばあちゃん家で集まるお祭りの夜みたいだった。
おばあちゃんはある意味すごい人だった。
年をとってからの入院は
ボケたり弱ったりするものだけど、
おばあちゃんは毎回元気になって帰ってきた。
病院から早く退院してくれと言われるくらい。
犬に吠えられておばあちゃんが転び訴えると言い出した。
相手は父の友人だった。
父は友人を一人失った。
自分に正直過ぎる人。
何だかんだ周りに人が集まる人。
そんなおばあちゃんに憧れる一方、
なりたくないなと思ったりもする。
おばあちゃんみたいに強くないので。
小学生の頃、大晦日除夜の鐘をみんなでつきに行った。
夜遅くに友だちと会う高揚感。
そこに好きな子なんか居たりしたら、
それはもうおかしなテンションになっていて
思い出すと夜眠れなくなりそう。
そんな除夜の鐘が“うるさい”という苦情を受け
中止になっているらしい。
少数派にのまれる感覚。
今朝出勤する時、
電車の中でストロング缶を持った中年男性が居た。
ブツブツ何かを言いながら鼻くそをほじり、
車内を歩いている。
(あ、食べてる。つまみかな。)
ついに遠くから観察していた私の横に来てしまった。
ちょっと粘ってみたけど、やはり道を開けてしまった。
少数派は強い。
「スノボやりてぇ〜」
そんな事言う程あなたはスノボは上手くないし、
コケ方が死ぬんじゃないかと心配になる程激しい。
体をちょっと斜めにしながら喋るな。
少しでも冬を感じると言い出す。
雪、降らないで。
山積みの洗濯物を畳み終えて急いでベランダに出る。
どこかで見たポスターにドローンショーの告知。
やっぱり今日だった。
少し身を乗り出したら何とか見える。
暗闇から突如出現するピンク色の集合体。
また暗くなったと思ったらキャラクターが出現。
さらに身を乗り出して、手をぐっと伸ばして、
誰に見せるか分からないが動画も一応撮っておこう。
花火のドーンという音と地響きはないけど、
これはこれでなかなか良かった。
無料で素敵なショーを見せて頂いた。
そして、
私の動きを怪しいと思いながらも、通報せずに見守ってくれた202号室の方、
お陰でドローンショーが見れました。とても綺麗でしたよ。
ありがとうございました。
小さい頃から、ふと思い出す感覚がある。
その感覚は急に現れる。
寝る前、車の中、ぼーっとしている時。
大きな球体みたいなものに掴まっている小さい私。
球体は相当大きい。
周りは水でぬるいくらいの温度。
耳がぼわーんとしていて、何故か心地良い。
この感覚を私は勝手に
母のお腹の中にいた時の記憶だと思い込んでいる。
胎内記憶があるなんて何か特別感、
秘めた力があるのではないかと思っていた。
40代になり、
もう秘めたままの力で終わりそうで震える。