「放課後」
皆が何だか少しずつ浮かれてる放課後。
彼女はいつも、うつむきがちになりながら、慌てて一人で帰っていく。
彼女の家は、ご両親が病気で、彼女が妹の面倒や家事全般をしてる。
クラスの子達は、皆事情を知ってるけど、触れていいのか駄目なのか、
触れるにしても、どう触れれば良いのかが分からず、あえて触れていない。
私も、声をかけたいけど、どうすれば良いかがわからない。
下手に遊びに誘ったら駄目かな?とか、
でも、誘わないのもどうなん?とか。
皆が彼女を気遣ってるのに、正解の対応が、わからない。
きっと、彼女を少しでも手助けしたり、彼女の支えになりたい、って思ってるのに、空回りしてしまう。
何をどうすれば一番良いのだろう。
彼女にしたら余計なお世話かもしれないし、気を遣われる事も嫌かもしれない。
正解が見えないから、動けない。
でも、そう言って誰も何もしなければ、何一つ変わらないのも事実。
だから。
嫌われるかもしれないけど。
怒られるかもしれないけど。
明日は彼女に声をかけてみよう。
何も伝わらないよりも、嫌われても、もし彼女に必要な事があれば。
あるかないかは、声をかけてみないとわからないから。
だから、明日は勇気を出して頑張ってみよう。
「カーテン」
貴方の部屋のカーテンが揺れる。
貴方は今、部屋の中に居るんだね。
貴方と別れてから、ロクな事がない。
勉強に集中出来なくて、テストは追試だし。
バイトは休みがちになって、クビになるし。
友達も、最初は話も聞いてくれたけど、その内に呆れて付き合ってくれなくなった。
それもこれも、み~んな貴方のせい。
私がこんなに悲しんで、苦しんで、辛い思いをしてるのは、貴方のせい。
なのに、当の本人は、新しい彼女とヘラヘラして。
私だけ苦しいって、不公平じゃない?
貴方の部屋のカーテンが揺れる。
彼女も今、部屋の中に居るんだね。
貴方も彼女も、嫌な目に遭えばいい!!
貴方の部屋のカーテンが揺れる。
赤い炎の揺らめきと一緒に。
「涙の理由」
君が泣いているのは、アイツのせい。
君を裏切って、傷つけて。
僕が、君の痛みを代わってあげられたらいいけど。
僕が、君の悲しみを癒してあげられたらいいけど。
僕が、君の辛さを忘れさせてあげられたらいいけど。
でも、どんなに君を想っても。
君を癒せるのは、笑わせれるのは、アイツだけだから。
君は、どんな事をされても、アイツの事が好きだから。
どれだけ泣いても、一晩中僕に愚痴を言いながら泣き明かしても。
それでも君が好きなのは、アイツだから。
君を笑わせられるのは、アイツだから。
君を見ていると痛々しいと思う時もあるけど、でも、僕が大好きな君が選んだ道だから、僕は引き止めない。
君は、君の人生を思う様に生きて欲しい。
僕は、君が疲れた時に、辛い時に少しでも君を癒せる存在であれば、それでいい。
少しでも君の痛みを取り除ける事が出来たら、それでいい。
「一人じゃない。誰かが居てくれる」君がそう思って、少しでも支えになれるなら。
僕の気持なんて、君は知らないままでいい。
ただ、君が幸せであればそれでいい。
相手は僕じゃなくていいから、いつか君の涙の理由が、幸せの涙に変わるなら、それでいい。
大好きな君が幸せなら、それでいい。
それが、いい。
「ココロオドル」
急遽明日はお休みになった。何をしようかな?
いつもは家事とか、仕事の日に出来ない雑務とか、とにかく何かやらなければならない事に追われるけど、でも明日は。
予定のない、やらなければならない事のない休日。
自分の為だけに使える日。
何をしようかな?
一人映画?一人カラオケ?美術館や博物館もいいな。
ピアノを弾きまくるのもいいし、好きな音楽を聴きまくるのもいいかも。
どうしよう、何か考えるだけで心躍るし、ウキウキが止まらない。
多分、こうやって考えてる時が一番いい時間なんだよね。
だから、もう少し考えて、この時間も楽しもう。
そして、明日はもっと楽しもう!!
「束の間の休息」
毎日が時間に追われてる。
仕事、家事、子供の世話、夫の世話、町内や学校の仕事、実家の用事、書類とか提出物の確認や記入。
1日は24時間じゃ足りないよね?
自分が何人かいればいいのに、とか、1日がせめて30時間あれば自由時間もあるかも、とか、夢みたい事を考えたりして。
でも、限られた時間だからこそ、大切に思える。
束の間の休息が凄く貴重で、有り難くて。
休憩とか自由時間が多いと、嬉しいけどダラダラしてしまって、結果余り有意義に使えなかったりしてしまう。
だから、ないモノもねだりはしないで、今この時間も含めて、楽しみたい。
って自分に言い聞かせたけど、やっぱりもうちょっとだけ時間、欲しいかな?