【風に身をまかせ】
快晴で強風の昼間なんかにはよく、「ああこのままどこかに吹き飛ばしてくれないだろうか」と思いながら大きくバンザイをしてみたりしている
メリーポピンズみたいに飛べたらさあ、楽しそうじゃない?
ああ、風に身をまかせたいねえ
もう飽き飽きなんだよ、「自分の道は自分で決める」的な風潮は
風まかせも案外悪くないと思うけどね
私は英語がてんでダメなのに、人まかせにしていたらいつのまにか海外旅行に3度も行った人間になれたよ
どの国も楽しかったよ
早く遺灰にして
細かくサラサラに砕いて、強風の日に空に撒いて
高く遠くに舞えるように
お願い よろしくね
【子供のままで】
自分が大人になれたか、子供のままで歳だけとっちゃったかはわからないけれど、
私は小学校高学年あたりの頃には、今の私とほぼ同じくらいの中身になっていたと思う
興味のあるもの・ないもの、世の中への視線、人間の本質についての理解度etc…
だいたい高学年くらいから変わっていない
子供か大人かについて、みんなよく定義を議論したりしているけれど、私はあまり興味がない
大人らしくなりたいのか、子供のままでいたいのか…どうだろう、わからない
それよりも私は、私の完成形になりたい
どうなると完成形なのかは、まだはっきりとはわからないけれども…
【明日世界が終わるなら】
最期の食事はイチゴのショートケーキがいいわ、とか
大好きなあの服とあの靴を身につけて逝きたい、とか
色々考えてみたけれど、世界が終わるって…全員死ぬってことよね?
じゃあケーキ屋さんはきっと閉まっているわね
街は死ぬのが怖くてパニックになった大量の通り魔殺人犯と放火魔なんかがウロウロしていると思うわ
死ぬのが明日か数十年後かなんて大した差じゃないのに、本当に人間は愚か
我が家の窓ガラスが暴徒に破られないことを祈るわ
街がそんな有り様なら、せめてスマホの充電が切れるまでは、ダウンロードしておいた好きな音楽たちを流しながら、
夫と猫と私、
ひっそり身を寄せ合って静かに苦しまず思い出話をしながら逝けますように
【君と出逢って】
夫よ
君と出逢って、私の未来のジョブが『浮浪者』ではなくなりました
出逢うまでの私は、働きたくなくて働きたくなくて働きたくなくて、どうすればゴミを漁って食べられるようになるかばかりを考えていました
夫よ
君が専業主婦になるよう勧めてくれたから、私は毎日快適なお布団で眠り、愛猫との幸せな日々を満喫することができています
本当にありがとう
君は私の命の恩人です
私にとって君は、世界中のどんな偉人よりも素晴らしく、スペシャルな人です
夫よ
私が死んだら私のことはすぐに忘れて
そしてどうか世界一自由で幸せな人になって
それが私の愛です
【耳を澄ますと】
耳を澄ましても聞こえるのは耳鳴りばかりなり
あーやだやだ
皆さんは突発性難聴にくれぐれもご注意ください
後遺症で耳鳴りが残る可能性ありますからね