8/20/2024, 10:29:45 AM
「さよならを言う前に」
同じ風が吹いた
思わず振り返った
その先を手繰り寄せるように
あの日この日を思い出す
今日ここからは体温も
目尻の皺も白髪の数も
少しずつ
多分その日が来るまでに
忘れていってしまうだろう
せめて
さよならを言う前に
あの優しい声だけは
心に痛いほど刻みつけたい
8/11/2024, 10:35:49 AM
「麦わら帽子」
風が盗んだ日輪草
暢気にひゅるり飛んでゆく
ワンピースの裾もて余しながら
急いた足音駆けてゆく
8/6/2024, 10:39:50 AM
「太陽」
目の前の世界が覆われても
笑わなくてはならないのなら
いっそ涙で洗い流してしまえばいい
世界を照らしているのだと
辺りを焦がしてしまうなら
その憧れは捨ててしまった方がいい
太陽になんかならなくたって
皆生きていけるのだから
8/4/2024, 3:04:59 AM
「目が覚めるまでに」
深く暗く落ちたあと
一人の私が目を覚ます
今日を取りこぼさぬように
せっせと何かをかき集め
切り貼り切り貼り
繰り返す
それはやり残したこと
考えなくてはいけないこと
分からないけど手にしているもの
まぁこんなものだろうと漠然と
そんな余韻を転がしながら
今日は眩しくやってきて
そんな苦労も知らないで
私はまた目を覚まされる
7/18/2024, 2:39:45 PM
「私だけ」
私だけ
私だけ
私だけ
井戸の底
私だけ
私だけ
私だけと