「タイムマシーン」


過去と未来どちらへ行こう
選択肢は無限大
そんな日々が当たり前なら
今は一体どこにある

右も左も前も後ろも
ななめも上も
下までも
タイムマシーンというよりも
無数のベルトコンベアみたい

「海の底」


クジラやイルカが話す声
時々荒れた波の音
なにかのための機械音

光は届かないけれど
私はここで生きている

いつか大きな泡たちに
掴まることができたなら
ふわりふわりと導かれ
泡沫ほどにはなれるでしょう

「君に会いたくて」



首の後ろから
じんわり耳を熱らせて

そのまま頬が染まるまで

いつもは気にもしない
リズムが心を満たしたら

浮かぶは
君のことばかり

逸るは
君までの足どり

「閉ざされた日記」


一文字一文字おとすたび
一行一行ながすたび
一枚一枚ひらうたび

何グラムか増えていくようで

ずしりとなる頃にはもう
ほこりを被りはじめてた

「美しい」


ゆらゆら飲み込んだ街
瞳に宿らせて

ひとつふたつ幕を下ろす
その瞬間