【手を取り合って終わりにしよう】
coming soon !
【優越感、劣等感手を取り合って】
coming soon !
【これまでずっと】
◀◀【この道の先に】からの続きです◀◀
とにかく、僕の車に来てください!ひよこ頭の男になかば引きずり出されるように車から降りて、一緒に彼の小型トラックへ行きドアの窓から中を覗うと、もう一人彼と同じ作業着の男がグッタリと座っていた。やや年配で、ひどい顔色をしている。
「頭が痛いってうめいて、それからひどく苦しみだして……彼、作業場のチーフなんですけど、数箇月前からこれまでずっとオーバーワークだったから……もしかして過労で ―― 」
傍らで事情を説明するひよこ頭の言葉を聞きながら、アランは車中の男の具合をつぶさに観察した。ほとんど意識を失っているな ―― いたずらや強盗目的のための小芝居などではない、まさに危険な状態だと一目瞭然だった。迷っている場合ではない、急いで対処しなければ。
「わかった、僕が彼を病院へ運ぼう。君はその間に急ぎの納品をとやらを済ませておいで。連絡先を交換しよう。ここから一番近い病院は?彼の名は?身分証はあるかい?」
おろおろしていたひよこ頭にテキパキと指示を与え、最小限必要な事項を確認しあうと二人で慎重にアランの車へ急病人を移動させた。
「それじゃあ行ってくる。何かわかり次第こまめに連絡を入れるから、彼のことは僕に任せて、君は仕事に集中するんだよ」
そう言ってアランが運転席に収まり、扉を締めようとすると、慌ててひよこ頭が扉に手をかけて押し留めた。
「あ、あの!……本当に助けてくださるなんて……ありがとう、ございます!」
泣き声に近い声で感謝を告げられ、思わずアランは微笑んでみせる。そして励ますように、扉にかかる彼の手を軽く叩いた。
「助け合い銀行への良いこと貯金さ。さあ、君も早く出発しなさい。またあとで会おう」
うながされるとひよこ頭も泣き笑いの顔でうなづき、アランの車から離れてトラックへと駆け出していった。乗り込んだのを見届けるとアランはクラクションを短く鳴らして合図し、教えられた病院へと車を発進させた。
▶▶またどこかのお題へ続く予定です▶▶
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【目が覚めると】
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