~目が覚めると~
目を覚まさなければ
昨日への後悔も 明日への不安も
感じないで済んだでしょう
でも 目が覚めたなら
今日が始まる
昨日からの期待と明日への好奇心を
感じられるのは今日だけ
全てを変えられるのは今日だけ
~私の当たり前~
肉じゃがと言えば牛肉
キツネと言えばうどん
ぜんざいと言えばつぶ餡
ここじゃ全然違う
肉じゃがに豚肉使うし
キツネそばがある
ぜんざいなのにこし餡だ
私の当たり前が当たり前じゃない
前は馴染めないと思った
でも、ここで暮らすと決めたから
あなたと一緒に
私とあなたの子供には
当たり前にもいろいろあるって
教えてあげたいな
~街の明かり~
全て消えたら停電、という
ジョークがあったが
震災とかで実際真っ暗になったことも
あるわけで
1つ1つの明かりに人の営みがある
と思うと
ほわっと温かい気持ちになるし
節電しないといけないなとも思う
~七夕~
イチャイチャしすぎで親父に怒られ
別居を余儀無くされた夫婦に願を
掛けるってどうなんだろう
自分達のことで精一杯で ほかのヤツの
ことなんて考えられないと思うんだが
まぁ、これは一緒に願い事を書く相手もいないヒガミってもんだろうな
~友だちの思い出~
あいつの兄貴は頭が良かった
もともとあいつの兄貴と友達で
そういや どっかの大学の天文学部に
行った気がする
あいつと初めて会ったのも
誘われた流星観測会でだった
あいつはガキの頃から可愛かった
~星空~
せっかく久しぶりに星でも見ようと
外に出たのに雲っていて
星なんか1つも見えない
~神様だけが知っている~
この夏休みはあいつと出掛けようと
いっぱい考えていた
楽しくなると思っていた
でも、あいつは他に好きなやつが
出来たと言った
なんだか全てが終わった気がした
次に誰かを好きになることなんて
あるんだろうか
それを知っているのは…
~この道の先に~
毎日バイト帰りに通る公園
この道はあいつの家に続いていた
一緒に下らないこと話しながら
帰っていた時はあんなに幸せだったのに もう ここの先を通ることはないだろうな
~日差し~
フラれて死にそうな俺にも
公園で走り回るガキんちょ達にも
真っ黒な日傘をさして歩くお姉さんにも
携帯見ながら木陰で休むおじさんにも
同じように降り注ぐ
夏の日差しは容赦がない
~窓越しに見えるのは~
バイト先の喫茶店
その窓越しに見えるのは
いつもの風景だ
何も変わらない
どうせお客は誰もいないし
なんとなく外を見ていると
~赤い糸~
真っ黒な日傘をさしたお姉さんが
よろけるが目に入った
別にいい人ってわけじゃないが
声をかけた
絆創膏を渡した
照れた顔がかわいいなって
思った
~入道雲~
あれから何度かお姉さんは
バイト先の喫茶店に来た
大したことは話してない
何でだか 明日は一緒に映画にいく
ちょっと面白そうだと思っていたやつだし
バイトの先輩がイケイケ煩かったし
お姉さんの真っ赤になった顔が
可愛かったし
青い空に入道雲がやけ白く見える
明日も暑そうだ
~夏~
待ち望んでいたのに
いざ来ると堪らない
終わって欲しいのに
去るのは名残惜しい
アイスクリームじゃなくて
かき氷が旨い
それが夏
乗り遅れ
~ここではないどこか~
自分の想いを書き留めて
今ではない いつかの
ここではない どこかの
自分ではない 誰かの
心を打つ
そんな物を残せたら
嬉しい
乗り遅れ
~君と最後に会った日~
君と会った日が
人生の最後の日になるなら
今までのどんな一生も
良かったと思える
そんな君と逢える日を
待っている