どんな些細なことにでも意味はある。
そう昔は思っていた。
だけど現実は些細なことなど無視される存在だと気付かされた。

ピコン

LINEが鳴った。

「誰からだろう」

そう思って差出人を見た。

「…」

元カレだった。

彼とは酷い別れ方をしてから会う事も話す事もなかった。

だから悪いとは思いつつも開かないでいようと思った。

（これで良い。今の私には守りたいものがもうあるんだから…）

君を救う事ができなかった。
そんな不完全な僕をまだ許せないでいる。

どんなに愛していても、どんなに思っていてもいつかは去ってしまう。そんな出会いと別れを繰り返してもうどうしたら良いのかわからない。自分はこの世界にまだ存在していて良いのだろうか。そんな自問自答を繰り返しながら、気付けば雨の中佇んでいた。