いつまでも降り止まない、雨
かつて、世界は青い空を持っていた。
変わりゆくソラというもの。
煌めいて、すべてを照らす強い光。
みんながみんな、手を取り合って生きてきた。
世界が、曇天に包まれた。
頻りに降ってくる雨。
誰もが最初は
早く晴れればいいな
と
最小の憂いを胸に秘めた。
せめて、一筋の願いが
曇天に包まれぬように。
あの頃の不安だった私へ
成人して、就職も決まった。
大学に通って、バイトしてたときより
とてつもなく忙しい。
目まぐるしく過ぎる時間に
とても充実した暮らしが垣間見える。
高校の時の不安は何処へやら
忙しく働いて
休日はある程度好きに過ごせる。
仕事はとても楽しい。
つらいときもあるけど
好きなことを仕事にしたぶん
頑張ろうと思える。
未来に飛んでくる過去の自分が驚くぐらい充実してるよ。
不安を持ってるからこそ
充実できたんだと思うよ
これからも不安と一緒に
進もう
逃れられない呪縛
目の奥から
じわじわと真っ黒い闇が
這い上がってくる
もう足の付け根辺りまで
侵食されて
動くことすら敵わない
声も出ない
そもそも周りは
真暗闇で
人が居るかもわからない
心臓の辺りが冷えていく
また、忌み子
透明な水
傘を差して
鬱蒼と繁った森の中
遠くにある廃墟
かつて立派な洋館だった
窓から止め処無く
透明な何かが押し進んでくる
決して足を踏み外さぬようご注意を
足を取られて帰れなくなりますから
真夜中
暗いと顔や服装など何もかもが判別できなくなる。
もしかしたら
愛しいあの人の声で 愛してる と
憎いあいつの顔で言っているかもしれない。
美しく可憐な天使の中に
醜く恐ろしい悪魔が入ってるかもしれない。
血に塗れた恐ろしい吸血鬼
協会で祈りを捧げる神父
それらのどちらが恐ろしいのか
……話が脱線してしまったね。
ねぇ、君等は俺の話を聞いてどう思った?
…………なんにせよ、もう、手遅れだろうネ。
こんな時間に俺の話を聞こうとした時点で。