学校の帰り道
いつもの家の木からゆずの香りがしてくる
落ち着く
「冬は一緒に」
( ねぇねぇ 冬休み会いに行っていい?)
彼氏からのLINE
私たちは遠距離で普通には会えない。
それに私はまだ高校生だから、県外に一人で行くことも出来ない。 彼氏は私より3つ上でもう大人。
私はもちろん
(いいよ)そうLINEを返した。
私は半信半疑だった。
いつも「好き」や、「愛してる」を言っても「ありがとう」って。すきも、愛してるも言ってくれない。
でもせめて、クリスマスやお正月は、あなたといたい。
なんで遠距離なの?
ねぇ神様。 冬だけでもいいから。
私たち二人を合わせて。
そばにいさせて。
あなたにとっての宝物が私でありたい
「冬になったら」
冬になったら逢いたくなる……
別れているはずなのに、なんでこうもあなたが愛おしいんだろう。
まだ好きなんだよね……
あなたのこと。
雪がしんしんと積もる中彼から告げられたのは
「ごめん……別れよ」
静かな世界に響き渡る彼の言葉。
雪よりも重く溶けにくい。
毎年冬になると考えてしまう。
あなたのこと……
「声が枯れるまで」
私の彼は、中学2年の時に病気で亡くなった……
私に病気だと隠してた彼。亡くなったことを知った時は辛かった。食事もまともに食べられなかった。
私は薄々気づいていた。彼の顔から笑みが消えていったから。
彼は私に毎日、「愛してる」「大好きだよ」「そばにいるからな」って言ってくれてた。
ある日突然彼からの言葉が無くなる。
彼が私の事大切にしてくれていた。
声っていつか枯れていくんだ。
なら、伝えたい人に伝えたいこと伝えないと……
「ありがとう。私はずっと大好きだよ」
〜物語の説明〜
これは、自分の声が枯れるんじゃなくて、大好きな彼が亡くなって、彼の声が枯れていくと言う物語です。 一般の物語って、自分の声が枯れていく場合が多いけど、彼からの声っていう大切なものが消えると、自分にとってどう影響が出るのか。これかれどうしていけばいいのか、ちょっとでも考えて貰えたらと言うことで描きました。
「愛してる」「大好きだよ」カップルだったり、夫婦なら当たり前に口に出す言葉。
それでも、突然その言葉が消えたら、どうします?
当たり前に口に出す言葉だからこそ、伝えないといけないんです。
そばにいるうち、そばにいなくたっても、今日から思いを伝えて言ってください。