「形のないもの」
たくさん
たくさん あるよね
例えば
君を愛する想いとか
例えば
君に愛されてる事とか
いつまでも大事にしたい
形のないものだけど
でも
形のないものほど
脆いって事を知っているよ
大事にしたい けど
形のないものだから
証明できずに
すれ違うことだってあるという事
「ジャングルジム」
あの てっぺんまで
よーい、どん!
がむしゃらに登った
ジャングルジムのてっぺんで
広がる世界を瞳を輝かせ
眺めてたっけな 子供時代
幼い頃は広がる世界に興味深々で
夢が膨らんでた
いつからだろう
広いと思った世界が
限りなく狭いと知ったのは
ジャングルジムに
いつから登らなくなった?
ジャングルジムに
いつから背を背けるようになった?
大人になると
無邪気さを何処かに落としてしまう
背中越しに
ジャングルジムと対峙していた私は
今 振り向く
真正面から対峙しようと覚悟を決めた
さぁ もう一度
登る準備はできたかい?
ゆっくりとでいい
また 我武者羅に登ってみよう
まだ私の知らない世界が広がっている
ジャングルジムのてっぺんで
いつしか失くした夢を取り戻しに行こう
「声が聞こえる」
私の名を呟く声の主はきっと幻聴
私がそうだったらいいな
って……
淡い妄想が抱かせる幻聴
あぁ……また
声が聞こえる
あなたの声が聞こえる
そんなはずなんてないのに
思わず返事をしたり
聞き入ってしまう
私を甘い夢の中に堕落させてしまう
あなたの 声が聞こえる
「夜景」
山頂で見下ろす街の灯りより
見上げた空に在る
幾数千、幾数億の星の微かな灯り
それを夜景として
綺麗だと感じ入る
そんな私は人とは少し違った
感性なのかもしれない
だから……
人の輪にいても
疎外感を孤独を感じてしまう
私も名もない一つの星
闇夜に微かに生きて
微かな光を纏う
他の名もない星と共に
夜景の一部として
夜の闇を纏い
それでも輝こうって
無言のエールを誰かに
「花畑」
花
花
花
一面に 花
一つ 一つ 違う
カラフルな色
同じ色でも濃い色と 薄い色と
ちょっぴり違う 個性
同じ土壌で咲く
花
花
花
あの子も どの子も
輝いて
生きている