「涙の理由」

灯る光に独りの私が溶ける

貴方の匂いがシャツにこびり付く

貴方にあわせた音楽が耳に残る

苦い思い出が喉を掴む

頬を伝う涙

涙の理由はもう戻れない日々の儚さ

「コーヒーが冷めないうちに」

カップから立ち上る揺らめく幻

君を見つめる僕

その短い時間の中で

僕は何一つ言えなかった

覚めたコーヒーだけが

僕の手元に残る

｢パラレルワールド｣

君が笑っていて

僕の隣に座っている

触れられそうで　触れられなくて

声をかければ　消えてしまいそうで

そんなときに

目を開けると

君はいなかった

あれはただの幻

失った恋をみせた

パラレルワールド

｢時計の針が重なって｣

恋がほどけたとき

ふと時計を見つめる

針が重なる度に

あの時の私と貴方を思い出す

針はまた離れていく

あの頃の私たちのように

｢僕と一緒に｣

恋人から別れを告げられる日

引き止めたかった

「僕と一緒にいて欲しい」

喉が震えて声にならない

去っていく君はみながら

言えなかった後悔と

失恋の痛みだけが残っている