偶然、ハナミズキを聴いた。
大分昔に抱いていた気持ちがよみがえってきた。
私は今の自分のこと幸せだと思っているけど
本当にそうか、ほんの少し疑ってしまった。
人と比べたら不幸になるだけなのは分かっているが
「一般的な幸せ」に目がいきそうになる。
私は幸せなはず。
貴方もどうか、幸せに。
【幸せに】
午後3時
駅前
あなたの後ろを
うつむきながら歩く
私をあなたのものにしてほしい
手首を纏めて括ったり
爪を皮膚に立てたり
首を絞めたりして
あなたの跡を残してほしい
今日しかないから
頑張って綺麗にしてきたの
私の精一杯を
あなたにとってはありきたりな女の私を
もらってほしい
【夢が醒める前に】
一歩を踏み出すのが怖い
私のことなんてみんな無関心だと分かっているのに
どう思われるかが怖い
かっこいい自分でありたい
不相応な自分でありたくない
不相応って誰が決めたの?
過去の、笑われてきた自分がいる
あの頃はみんな子供だった
世界が狭かった
だから今は大丈夫なはず
大人は挑戦を笑わない
みんな無関心だから
大丈夫
やってみよう
奮い立たせる
【胸が高鳴る】
平和かって聞かれると
総合的には平和なんだけど日々細かい妬みや憎しみや争いがあったり
自分の中で戦争が起きているときもある
完全平和を成し遂げるためには
愛があればいいんだろうな
いや、妬みや憎しみや争いまでも愛せばいいのかしら
そんなんできる気がしない
とりあえず与えたい所に愛を与えて
私の周りだけ平和になればいい
【愛と平和】
最後の再会は電車の中だった
だから私は勝算のない期待をして乗客の顔を見る
あの人はいないだろうか
そして今日も傷つかないまま期待を裏切られる
あの人は今の私を見たらきっと美人だと驚く
それほどの月日が流れた
同じ制服を着てとてつもなく狭い世界の話をしながら
今の私よりも拙く醜く恥晒しな自分が
今の私よりもたくさん笑っていた
【過ぎ去った日々】