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11/3/2024, 1:39:37 PM

『鏡の中の自分』


鏡に映る自分の顔が、母にそっくりだと思うようになった。人から似ていると言われても「そりゃあ、親子だからね。」程度にしか思っていなかったのに、双子かと思えるほど似てきた。鏡の向こうにいる私が、「親子なんだよ。あの人と。」といろんなトーンで何度も語りかけてくる。左頬に、母と同じ位置・同じ大きさのシミがある。「親子だから?。」と鏡に問いかけると、「そうだよ。遺伝だよ。」と辛そうにあっちの私が答える。私は、耐えられなくなりシミを取った。左鼻筋の少し盛りあがったホクロは、弟と同じ。母が、「姉弟の証だよね。」と嬉しそうに言っていたけど、それも耐えられなくて取った。鏡の中の私はそれでも母とそっくりなのだけど、気持ちが楽になったような感じがする。にっこりと笑った顔が映る鏡に、「あの人より笑顔が綺麗だよ。」と言えたよ。やっと鏡の中の自分を好きになれた。

10/31/2024, 12:47:04 PM

『理想郷』


理想郷にたどり着いたら、私は今以上に怠惰な人間になるだろう。
少し足りないくらいが、ちょうどよく思える。
それらを追いかけながら、生きることも楽しい。
最期に「楽しかった」と思えたのなら、私の人生そのものが理想郷だった証になる。

10/30/2024, 2:07:03 PM

懐かしい思い出


子供の頃の懐かしい思い出は、特にない。私の懐かしい思い出は、夫と出会ってからのできごと全て。夜、遊びに行って帰ってきたら泥棒に入られていたとか、小さな喫茶店のモーニングとか、子供たちが生まれて出かけた場所とか。きっと今の生活も、月日が経てば懐かしい思い出に変わり、笑いながら話しているだろう。何気ない毎日が、ひとつひとつ思い出に変わる。そんな日々を過ごせるなんて、子供の頃は思いもしなかった。頑張って生きてきたなと思う。