6/18/2023, 1:51:46 PM
落下
前に好きだって言ってたよね。
そう言って渡されたのは、お菓子のおまけについてくるマスコット。
あくびをした猫が愛らしく手の上に乗っていた。
よく覚えてたね。
本当にちょっとした会話だったから、笑って彼に言った。
君との話だから覚えてたんだよ。
猫の頭を撫でながら君は笑う。
うわ、やられてしまった!
6/18/2023, 4:04:58 AM
未来
君が大人になる頃に、
その言葉が希望と幸福の意味になりますように。
6/17/2023, 7:22:58 AM
1年前
男は1年前の過去に行けることが出来るようになった。
1年前の過去。
妻から離婚を言い渡される1ヶ月前。
男は良き夫となるように努めた。
妻と過ごす時間を増やし、今までしなかった家事や料理をするようになった。
それでも妻から離婚を言い渡された。
あなたと過ごす時間が苦痛だった。
私の都合も気持ちもあなたには関係なかった。
あなたはいつも自分のことばかりで、私のために何かをしてくれることはなかった。
男は身勝手だった。
良き夫を演じようとしたのも、妻と離れたくないという自分の気持ちだけだった。
そんな浅はかさを妻は見抜いていた。
結局、男は離婚を言い渡された。
二度目の絶望は、男のすべてを打ちのめした。
6/15/2023, 2:14:42 PM
好きな本
実はあんまり本を読むのは得意じゃないんだ。
けれど、君と同じ景色をたくさん見たかった。
好きな本はね
あの時、君が初めて僕に差し出してくれた物語。
僕たちの始まりの物語。
6/14/2023, 2:07:30 PM
あいまいな空
今日は会えるって言ったのに、やっぱり無理ってなんなのよ。
気分じゃないとか信じられない。
そうやって私を怒らせてばかりの君。
でも、どうしても好きだから離れられなくて。
空には灰色の雲。
曇り空さえ羨ましい。
だっていつかは晴れるから。
私の太陽はいつ見えるでしょうか。
傘のほうが必要になりそうだ。