無償で譲っていただいた保護猫
のびのび暮らしてもらおうと
大金はたいて引っ越しをした
君はプライスレスであり
私の人生の転機だ
なんにもしたくない
なんで土曜日は仕事なのだろう
親戚との食事に誘われているけれど
出掛けるのも会食も億劫だ
食べたい気持ちだけはあるけれど
ああ、どうしようかな
なんにもしたくない
8年ほど前のこと
単身で遠征して、初めて音楽フェスに参加した。
推しバンドを少しでも近くで見ようと、
緊張しながらも前の方で立っていた。
バンドが登場し、MCもそこそこに曲が始まると
激しいモッシュにもみくちゃにされ、
思わずその場に膝をついた。
冗談抜きに「あっ、これは死ぬ」と
命の危機を感じたとき、
斜め後ろから「大丈夫ですか?!」と女性の声。
それとほぼ同時に、真後ろから大きな手が
私の両脇を支えて、すっと立ち上がらせてくれた。
「ありがとうございます」「すみません」
振り返ってそんな言葉を口にする間もなく、
情けなくも再び転けてしまった。
さすがに今度は、何とか自力で立ち上がった。
人の波を抜けて、すごすごと後方へ避難し、
バンドを少し遠くから眺めた。
あのとき声を掛けてくれた方、助けてくれた方
顔も分からないけれど、
本当にありがとうございました。
あの日は散々だったけれど
翌日の別イベントは最高の体験になったし、
あれ以来フェスには行かないけれど
ワンマンライブは楽しんでいる。
もう遠征もしないし、また会うことはまずないけれど
今も同じファンでいるのかな。
誰にでも分け隔てなく優しい人
あなたのようになりたいと思いながらも
そうなれない自分の度量のなさに
今日も溜息をつく
色とりどりの宝石や、
それらをあしらったアクセサリーを見るのが好き。
着ける機会も、買うお金もないから
広告などで眺めるだけ。
職場の色鉛筆をいそいそと削ったあと、
きれいなグラデーションに並べ直すのも好き。
わざわざ、こんなことをする同僚は他にいないけど
私だけの密かなこだわり。