はるかぜ

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9/27/2024, 2:48:31 PM



孤独と安堵だけを約束された
世界を映す雫の檻

乱反射する太陽光に彩られた
さびしい、さびしい檻

一歩踏み出せば光の中
けれど世界は恐ろしくて

どんなに追いかけても
追いつくことはない

逃げ場などない
取り残された檻の外


【通り雨】

9/26/2024, 1:41:08 PM

いつの間にか曖昧になった、夏と秋の境界線

太陽も、風も、海も、雲も、草木も、花も、

見れば変わらずそこにいるのに
ふと、顔色を変えては季節まで変えてみせる

始まりを告げ、終わりを詠う

明確な隔たりなどあっただろうか
明確な隔たりなど必要だろうか

春夏秋冬、それだけでは終われない
もっと儚い、世界の移ろいを

365日、人知れず去った儚い時を

季節を告げる、全てのものたちだけが知る

【秋🍁】

9/25/2024, 10:08:54 AM

見知らぬ土地の、誰かの生活の影を見る

誰かの帰る場所
誰かの遊ぶ場所
誰かの学ぶ場所

一駅ゆく間の窓の向こう

もう帰れない、あの日を見た

チェーン店の看板だけが
不安と孤独を慰める

【窓から見える景色】

9/24/2024, 5:10:22 PM

形ないものに飢えては
形あるものを求めている

空白は埋まりやしないのに

無色透明な箱のなか
在るようで、無いような

形ないものほど大切だというけれど

満たされていても、飢えていても
目には見えないのなら
触れることなどできないのなら

せめて、形あるものに縋っていたいと思うのは
そんなにいけないことだろうか

応急手当くらい、許されたっていいだろうに


【形の無いもの】

9/23/2024, 2:35:11 PM


今はすっかり見かけなくなってしまった
ぐるぐる、回るジャングルジム

調子に乗って外側にしがみついては
遠慮なく回す友達に情けない悲鳴をあげながら
振り落とされまいと必死にしがみついていた

わけもわからぬまま世界が回る、まわる、
あ、と思って手が離れたあの瞬間の恐怖と絶望

なぜか英雄のように砂埃を立てて着地した時の、
安心感ととてつもない興奮

あぁあの頃は楽しかった
あぁあの頃は自由だった

なんて。

あんなに大人になりたかったのに
あんなに大人は自由に見えたのに

思い出すのはあの頃の
大人も、世間も、友達も
みんなみんな自由に見えた

小さなちいさな子どもの世界
大人は入れないちいさな世界

回るジャングルジムに振り落とされた
子どもの世界はもう回ることはない。

【ジャングルジム】

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