はるかぜ

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9/22/2024, 11:31:22 AM

私は聞こえている。

音を音ではなく
音を耳鳴りではなく
音をメロディーではなく
音を囀りではなく

音を声として
音を言葉として

耳の痛い言葉だって、私はきちんと聞こえている。痛いから、聞こえているはずなのだ。

私は聞こえている。

助言、妄言、苦言、甘言
虚言、提言、戯言、名言

どんな言葉も、私にはきっと聞こえている。

聞き取れていると思い込んでいる。
聞こえた音こそが正しいと信じている。

嘘か誠か。そんなもの、目には見えなくとも。

誰かの声も、自分の声も。

私には聞こえている。

きっとそうだと、言い聞かせる声だけが
いつも鮮明に聞こえている。

【声が聞こえる】

9/21/2024, 2:39:41 PM

図々しくも夏は秋の上に寝そべって、
ふと降り積もる雪を見て、いつの間にか過ぎ去った秋の終わりを知るのだろう。

読書の秋だとか、食欲の秋だとか、芸術の秋だとか、秋は短いけれど、確かにあったはずなのに。

少しずつ、季節が殺されていく。
知らぬ間に、季節が死んでゆく。

燃え盛る夏に、季節も、人も、この恋すらも。

青葉が枯葉になる過程なんかすっ飛ばして、
雪に埋もれて凍るのだ。

いつの間にか息絶えたことに、
誰にも、自分にさえも、気づかれぬまま。

確かにここにあった恋。

春になったら、また何かが芽吹くのだろうか。

【秋恋】

9/19/2024, 5:25:04 PM

自分の話に友達が共感してくれた時。
大袈裟なまでの相槌と、笑い声。
話が盛り上がって、注目が集まる。

あぁわかってもらえた、あぁ笑ってもらえた。

それだけで涙が込み上げる私は、
恵まれているのか、むしろ飢えているのか。

この瞬間を切り取って
それが永遠になればいいのに
なんて思っているうちに

いつの間にか話題は次に移っていた。

【時間よ止まれ】