たそがれ
独り、黄昏乍ら…
カーテンを閉めて、薄暗い部屋で夜を過ごす…口から溢れるのは、あなたの名前ばかり…
テーブルの向かいには、あなたの姿が無くて…勿論、あなたが、この部屋にいた事なんて、無かったけど…1人で食べる御飯は、味気無くて、スマホで適当な動画をみながら、コンビニ弁当を食べるだけ…そんな時は、誰も座る事も無い、向かいの椅子に、あなたが、いることを、妄想しながら、話し掛けている…そして、そんな自分に嫌気がさして、また、黄昏て…
きっと明日も
明日は、会えるかな…
夕暮れの帰り道、影法師を見ながら、ノロノロ歩く…ここ最近、あなたの姿が見えなくて、何だか寂しい…何時も、人を寄せ付けない雰囲気のあなた…勿論、私も、一度も言葉を交わす事も無くて…ただ、偶然出逢えるのを待っているだけ…だから、あなたと会えないのが、淋しくて…
静寂に包まれた部屋
合鍵で、ドアを開けた…
付き合って直ぐに、渡してくれた鍵…部屋の前で、待っていた私に、何時でも、入れるようにって…
部屋の中は、明かりも無くて、真っ暗な儘で…
明かりを灯すと、テーブルの上には、走り書きのメモが1枚…
部屋の中は、静まり返って時計の音すら聞こえない…自分の吐く息と、心音だけが耳に聞こえる…
メモには…
別れ際に
デートは、金曜日の夜から始まって、日曜日の夕方迄の週末だけのカップル…
平日は、お互いに、スケジュールが合わなくて、電話すら出来ない…
ただ、あなたと過ごす週末の為だけに、生きてる私…本当は、一緒に暮したいって伝えたい…ずっとずっと心の中に溜め込んだこの想いを…
だからこそ、この別れ際には…
通り雨
見上げると、青空が広がっているのに…ポツポツと落ちて来る雨粒…天気予報は、一日晴れ、って云っていたのに…周章てて、軒下に逃げ込んだ…
暫くして、雨は、本降りになって、アスファルトは湯気をたてながら、色を変えた…でも、空には、少しだけ雨雲があるだけで、晴れ間が見えている…
もう少し待っていようと、思い始めた時、雨が、小降りになり、軈て、陽射しが戻ってきた…同時に、ムッとした空気も、立ち込めてきた…
時計を見ると、待ち合わせの時間が近づいていた…其れから私は…