開けないLINE
彼女はわたしのタイプだった。
経営する喫茶店で落語会があり、夫婦で出かけているうちに親しくなった。ノーメイク、地味な身なり。会話から美的感覚が鋭いのがわかった。わたしには、そこが魅力だった。
正月のLINEを送った。既読がつかない。忙しい?
夜になり、隣の部屋で夫が電話してる。誰?
しばらくして夫が部屋にきた。
ジルベールのママ亡くなったって。息子さんから電話があったよ。
神様、素敵な人からもって行かないで!
開けないLINE
開ける主人のいないLINE
不完全な僕
不完全な僕だから、
正しい行いをするよう努めます。
不完全な僕だから、
人の役にたつよう行動します。
不完全な僕だから、
皆に愛されるよう心がけてます。
こんな風に努めても、
不完全な僕は、
何年経っても不完全なままだと思います。
そう、
不完全なのが、僕なんです。
香水
香水は嫌いです。
頭が痛くなります。
エレベーターで勝ちあってしまったら、全力で息止めます。
言葉はいらない、ただ、、
言葉はいらない、ただそばに居てくれるだけで。
言葉はいらない、ただ肩を寄せてくれるだけで。
言葉はいらない、ただ見つめてくれるだけで。
言葉は、、
やっぱり言葉がほしいの、
あなたの言葉が。
どう思っているの?私のこと。
あなたの言葉で言って欲しい。
突然の君の訪問
私には猫縁があるらしい。
友人宅にも、好きなタレントさん家にも猫がいる。最近では、生協の注文品受け渡しの酒屋さんにも猫がいる。
自分では飼わない。お互いが気難しく、飼えないのだ。
でも猫縁は欲しい。
野良でもいいか。ご近所で有名な野良。通称サバ猫。柄がサバみたいだから。
立ち話してたら、サバ猫が足元をとおる。
お宅の猫?ってきいたら
違うの、でも毎日くるのよって。
太々しいやつ。
でも猫縁は欲しい。
家の庭にもサバ猫がくる。越してきて直ぐから。
どうして分かるかって?
猫縁探してるんだから分かるの。
夏前からサバ猫が来なくなった。死んだ?そんな筈ない。太々しいんだから。気になって仕方がない。
先日の雨の朝。ふと庭を見ると、サバ猫が通る!生きてた!
突然の君の訪問に、
心踊った。