顔を上げれば美しい四季があり

表情豊かなあなたがいて

心を震わすことができるのに

多くの目に映るのは

板の上に煩雑に散らばる言葉だけ

そこにあるのは

傷つき乱れる心だけ


#視線の先には

あなたのこと

全然知らなかったみたい

理解しようとしなかったのは

わたしの方で

ただわたしの思いを

ねじ込もうとしていただけだった

気付かなくてごめんね

待っててくれてありがとう



#これまでずっと

暗い夜道に

橙のスポットライト

項垂れた肩に

喝采を


#街の灯り

さわさわと

日差しが揺れる

カランと響く

夏の音

爽やかな風が通りすぎた


#日差し

愛はひとつじゃないって

最近知ったんだ

愛って「好き」とか恋愛で

扱われるものだけだと思ってた

でもそれだけじゃないって

知ったんだ

心が温かいものに包まれて

そっと抱きしめてくれるような

安心感

たぶんなかなか出会えるものじゃない


『愛を注いで』