この光は、淡く、弱く、小さく。
濃く、強く、大きく燃すと
すぐに尽きてしまうから。
たくさんのものを照らすと、疲れてしまうから。
淡くても、弱くても、小さくても、
周りにいてくれる人が、大切な人が、
この光に照らされて、あたたかいといい。
幸せを感じてくれたらいい。
だから私は、この光の届く距離に居てくれる人を
精一杯照らし続けたいのだ。
心の灯火
アイコンバッジが苦手だ。
まだ見ていない何かが気になって仕方がない。
いろんな通知がそのままの人の画面を見ると、
なぜだろう、と疑問に思う。
だけど、自分の緑の箱の右上にも、
1つだけ残っている赤い①。
他の人からたくさん連絡が来れば、
見えなくなっていくはずなのに。
緑の箱の右上にいつも。
消したい、見れば消える。
内容はわかってるじゃないか。短い文だから。
『あのね、来月、結婚するんだ』
いつまでも僕は、大切だったその箱を開けないまま。
赤い数字は今日も、主張し続けている。
開けないLINE
こうなりたい、ああなりたい。
誰もが何かしら思う。
こうだったら、ああだったら。
みんなが欲し続ける。
求めるものが何一つない、
それは、終わりを意味するだろうか。
だとしたら僕は、幸せに思うことにしよう。
求めるものがあることを、願うことにしよう。
『不完全』でありたい『僕』が
『完全』を求め続けて生きていけるように。
不完全な僕
いろんな色。たくさんある小瓶。それぞれの匂い。
つける理由は人それぞれ。
毎日つける人も、特別な日につける人も、
きっと変化を求めてる時に手に取る。
疲れたから、落ち着きたい。
落ち込んでいるから、気分を上げたい。
仕事に行くから、家の自分とは切り替えたい。
あの人に会うから、覚えていていてほしい。
この匂いとすれ違った時に、思い出してほしい。
いろんな感情。たくさんある思い出。それぞれの時間。
今日もどこかで、並んでいる。
香水