ようこそ、理想郷見学ツアーです。
普段は選ばれた者しか入れませんが今日は特別にご案内しまーす。
この分厚い扉を開くと…はい、ご覧下さい。
どうです、地上の楽園とはまさにこのこと。
鳥は歌い花は咲き乱れ、色彩豊かな景色に
全ての贅が約束された住環境、そして住まう方たちは
選ばれた善き人ばかり、一度住んだら止められません。
…はい?奥の塀と扉ですか?
この先は更に選ばれた方たちの住まう「超理想郷」です。
この分厚い扉を開くと…はい、ご覧下さい。
どうです、理想郷より全てがグレードアップした超理想郷。
あの理想郷にいる方たちだけが目指す場所です。
…はい?奥の塀と扉ですか?
この先は更に更に選ばれた方たちの住まう「極み理想郷」です。
超理想郷にいる方たちが追い求める究極の理想郷です。
もう、全てが究極の理想。理想オブ理想です。
…はい?奥の塀と扉ですか?
違う…?もうお帰り?そうですか、ここから本番なのですが…
本日は理想郷見学ツアーに参加頂き、誠に有難うございました。
(理想郷)
正月2日は家を出た兄姉が来て、家族集まる日なのだが
そういうとき、よく家族で旅行に行った話が出たりする。
兄も姉も懐かしんでるが、末っ子の私は入れないことが多い。
ほら、行ったじゃん、あったじゃん言われても…。
よくよく聞いてみると赤ん坊だったとか、母のお腹にいたとか
ひどい時は、まだ存在すらしてないときのことが話題にあがる。
連れてってやったのに…とか言われても知らん!
もう、もったいないから赤ん坊を旅行に連れて行かんでくれ。
そして連れてった頭数に入れんでくれ。
(懐かしく思うこと)
※血の表現が含まれます。ご注意下さい。
昔々あるところにお爺さんとお婆さんが住んでました。
ある日お爺さんは竹取りに
お婆さんは川に洗濯に行きました。
しばらくするとお爺さんは
血塗れになって家に帰って来ました。
家ではお婆さんが川に流れてきた桃を割り
やはり血塗れになっていました。
二人は川へ、血を洗い流しに行きました。
お婆さん「私の手を見て下さい、お爺さん…。私の手はちいっとも汚れちゃいませんよ?ほーっほほほほ!」
お爺さん「婆さんや、儂らはどう考えても被害者だのう…」
(もう一つの物語)
いつだったか
風呂場の電球が切れた。
ストックがなかったので
緊急時に便利な
太陽光発電ランタンを使った。
風呂場がオシャレ空間になった。
(暗がりの中で)
味覚糖の「純露」って飴がある。
べっこう飴と紅茶キャンディの二種類が袋に入ってるが
私がべっこう飴ばかり取っていくので
すぐに紅茶キャンディの袋になってしまう。
(紅茶の香り)